2018.04.21 家計

第一子、第二子の子どもの間で発生する教育費の格差を考える

兄弟がいると、どうしても教育費格差が生じ、その結果教育を終えたあとの職業に関しても、格差が継続するという事情を問題視するケースがあります。
 
これについて考えてみましょう。

平等かどうかは金額ではなく支援内容で考える

兄弟姉妹でも、キャリアパス、やりたいことは人それぞれです。そして、そのゴールに向けた発射台を親が整えるにあたって、ゴールが違うのですから必然的に準備にかかる費用(教育費)も変わります。
 
医者になりたいといって医学部を目指すのであれば、大学だけで2000万円~3000万円は軽くかかってしまいますし、大学に入学するまでの高校や塾代などでも相当の負担になります。
 
かたや職人を目指して、中学あるいは高校卒業後に就職、親方の元で今風でいうOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)をやっていけば、ほとんど義務教育にかかる費用にとどまることになるでしょう。
 
このような兄弟姉妹の例は珍しくないと思います。その際に、片方には多額の教育費を、片方にはほとんどかけなかったというのは、むしろ当然の結果といえるでしょう。
 
これに対してうしろめたさを親が感じる必要はまったくないでしょう。問題は金額面での平等ではなく、子どもが将来に独り立ちする力をつける支援の平等です。
 

支援内容と金額の調整は遺産分割で行う

しかしながら「同じように将来の独り立ちに向けて支援をした」といっても、金額というわかりやすい数字で考えると、平等ではないという結果になります。その帳尻合わせは、遺産分割という機会が提供してくれます。
 
相続が発生したとき、法律的には兄弟間で均等に分割するといわれていますが、正しく書いた遺言書があればその内容が優先されます。
 
そこに教育費での金額面における不平等を調整する意味で、あらかじめ記載しておけば問題発生を回避できます。
 

遺言書について言及するのをタブー視しない

最近、エンディングノートが話題になりますが、正式に認められる遺言書はフォーマットも厳格に決められているので、まったく異質です。
 
エンディングノートに書いたからいい、というものではありません。教育費の不公平感が気になっているのであれば、今すぐにでも正式な書式の遺言書を子どもたちへの思いを込めて用意しておくべきでしょう。
 
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

柴沼 直美

Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com

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