更新日: 2019.07.03 家計

「お金の3つの役割」がわかるとお金の使い方が変わるきっかけ

執筆者 : 木田美智子

「お金の3つの役割」がわかるとお金の使い方が変わるきっかけ
筆者は、小学生にお金の使い方を教えているのですが、その中で最初に教えているのが「お金の3つの役割」です。
 
お金の役割について理解を深めると、上手なお金の使い方を身につけるきっかけになるかもしれません。今回は、この「お金の3つの役割」について掘り下げてみましょう。
 
木田美智子

執筆者:木田美智子(きだ みちこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
確定拠出年金相談ねっと認定FP、DCアドバイザー、証券外務員内部管理責任者、相続士、金融知力インストラクター、FP未来への扉(幹事)、SANWA DCサポート代表。

1年間のお金の使い方を振り返る

お金の1つ目の役割は、「好きなものと交換することができること」です。
 
私たちは、当たり前ですが、毎日のように必要なもの・欲しいものとお金を交換しています。では、実際にどのようなものと交換しているのかを把握するために、あなたの2018年1年間のお金の使い方を振り返ってみましょう。
 
使う金額には地域差がありますし、年齢や環境によって消費の項目も変わるとは思いますが、まずは、収入の多くを住居費や食料、光熱費などの生活に欠かせないものに使っていると思います。
 
しかしその中で、「これは買わなくてもよかった」「買ったけど使っていない」という、いわゆる無駄遣いもあるでしょう。このような“失敗したお金の使い方”は、しっかり記憶に留めておくことが大切です。それが、同じ間違いをしないための第一歩だからです。
 

お金が貯まる仕組みに欠かせない、貯蓄額の把握

お金の役割の2つ目は、「貯めておいてあとで使うことができること」です。日々の生活で、収入の全額を使っていないかどうかを知るために、大まかに1年間の貯蓄額を確認してみましょう。
 
家計を管理している通帳の残高の、2017年12月31日と2018年12月31日とを比べてみてください。残高が増えていれば収入の全額を使っていない、ということになるでしょう。
また別口座で、2018年に預けた定期預金、確定拠出年金iDeCo、つみたてNISAなどを始めた方は、それらの残高も合計してみましょう。トータルでだいたいどれくらい貯蓄できているかがわかります。
 
余談ですが、投資信託などの変動するものは、少なくても年に1回は残高チェックをしてノートなどに記録しておきたいものです。1年間で増えた金額が確認でき、リバランスの検討もできます。
 
また、基本的なことですが、給与が多い少ないにかかわらず、収入の中でやりくりしていくことがとても大切です。生活の状況に合わせながら貯蓄していくことが難しければ、あらかじめ例えば「収入の10%を毎月貯蓄する」と決めて、こつこつ積み立てていくのもいいですね。
 

満足度を高めるお金の使い方は人それぞれ

お金の3つ目の役割は「価値の物差しになること」です。
 
これは“値段”でものの価値を計るということではありません。人にはそれぞれ価値観があり、何に高い価値を感じるかはその人次第です。何に価値を見いだし、何にお金を使うかを考え、自分が高い価値を感じるものにお金を投資することは、大きな満足感へとつながります。
 
まずは1年間の振り返りでお金の使い方を見直し、そして、お金が貯まる使い方ができているかをチェックする。それができていたら、生活費と相談しながら自分がワクワクするもの、価値を見いだしたものにお金を使ってみるのもいいでしょう。それが、“本当に必要なもの”とお金とを正しく交換していることになると思います。
 
上手なお金の使い方とは、暮らしのこと・将来のこと・貯蓄のことを考えつつ、収入の範囲内で、日々の生活を精一杯楽しむことではないでしょうか。
 
執筆者:木田美智子(きだ みちこ)
CFP(R)認定者
 

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