節約のきっかけにもなる「エシカル消費」って何?みんなはどれくらい取り入れてるの?
配信日: 2021.05.16 更新日: 2024.10.10
日本におけるエシカル消費は、まだまだ道半ば。消費者庁によると、日本のフェアトレードの市場規模は2014年時点で約94億円。全世界の市場規模は約8300億円とのことなので、日本が占める割合は1%強に過ぎません。この数字は、先進国のなかで非常に低い水準にあるといえます(※1)。
さて、みなさんは毎日の買い物でエシカル消費を意識したことはありますか?節約のきっかけにもなるといわれるエシカル消費について、株式会社電通が発表した「エシカル消費 意識調査2020」の結果(※2)を見てみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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節約につながる?エシカル消費で購入したもの・したいもの
この調査は、全国10代から70代の男女1000人を対象に行われたもの。世間はどんなエシカルなものを購入したいと思っているのでしょうか。
1位:食品 約37%
2位:自動車 約27%
3位:日用品 約19%
4位:家電 約18%
5位:衣料品 約14%
もっとも多かったのは、食品でした。必要以上につくらない、食品ロスを出さないといった取り組みを行っている企業や生産者の食品を買うことはもちろん、消費者自身が無駄を出さないことを意識することもエシカル消費に当たります。
2位には自動車がランクイン。地球環境に配慮した生産工程や適切な労働環境などで持続可能な製品づくりを目指す企業の自動車を買うことも、エシカル消費のひとつです。
幼い子どもを労働力として使わなかったり、リサイクル可能な素材を使って製品をつくったりしている企業の日用品、家電、衣料品についても購入経験があるという結果になりました。
自身の生活に取り入れてみたいと思うエシカル消費には、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
1位:食品ロス防止(不揃い野菜・賞味期限切れ食品など) 36.1%
2位:地産地消(商店街・市場など) 25.1%
3位:再生可能エネルギー 約20%
4位:ベジタリアン、ヴィーガン、ハラル 4.0%
4位:エシカル金融投資 4.0%
こちらも1位は食品でした。同調査によるとエシカル消費は20代・30代女性の認知度が高いということもあり、まずは毎日の食卓からチャレンジするという人が多いのかもしれません。
味には問題なくても見栄えが悪くて市場に出回らないような野菜や、賞味期限は切れているけど安心して食べられる食品を安く売買することも、エシカル消費につながります。食品ロスを防いで無駄を省く。こう考えると、エシカル消費は家計の節約にもつながるといえそうです。
節約が注目されるコロナ禍。エシカル消費の意識はどう変わった?
コロナ禍のいま、先行きの見えない状況に不安を抱き、貯金を増やしたり出費を減らしたりしている人も少なくありません。コロナをきっかけに、節約につながるエシカル消費の意識に変化はあったのでしょうか。
・より意識するようになり、行動に移している 6.5%
・より意識するようになったが、行動に移すほどではない 24.4%
・以前より意識しており、新型コロナウイルスが原因で意識の変化はない 22.5%
・意識していない、意識しなくなった 46.6%
コロナがきっかけでエシカル消費をより意識するようになった人は、全体の3割強。コロナ関係なくもともと意識していた人は2割ほどでした。そして、もとから意識していなかったり、コロナをきっかけに意識しなくなったという人は、5割近くも。
「コロナをきっかけに節約やエシカル消費への意識が強まった」という人と、「コロナでそれどころではなくなった」という人がくっきり分かれたような結果になりました。コロナをきっかけに意識が強まった人たちの具体的なエシカル消費としては、以下のとおり。
・無駄な消費をしない/消費を抑える
・食品ロスを減らす/食品を無駄なく使い切る
・地産地消を意識する/地元の消費を増やした
・節約志向になった
・エコバッグを使う
・リサイクルを意識する/中古品や古着、再生産品を購入する
無駄を抑える、減らす、節約志向……など、やはりエシカル消費は結果的に家計の節約にもつながることがよくわかる内容となりました。
地元の生産者さんを助けるといった意味でも、エシカルを意識することで達成感が得られ、日々の節約の張り合いになることも想像できます。
エシカル消費を意識する人・実践する人は多数派ではないものの、調査結果を見る限りでは節約につながることがわかりました。まずはできるところからエシカルを意識し、無駄を省いてコツコツ節約していきたいものですね。
[出典]
※1 消費者庁「『倫理的消費』調査研究会取りまとめ ~あなたの消費が世界の未来を変える~」
※2 株式会社電通「『エシカル消費 意識調査2020』を実施」(株式会社共同通信ピー・アール・ワイヤー)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部