あなたはいくつ当てはまる?「お金が貯まらない人の3つの共通点」
配信日: 2018.01.15 更新日: 2024.10.10
『お金が貯まらない(貯金ができない)ので、家計の見直しをしたい』というものです。
お金…貯めたいですよねぇ…。それなりの収入はありますのにねぇ…。どうして貯まらないんでしょうねぇ…。ならば、まずは現状を分析してみましょう!との流れで、FPの私たちは、ご相談者さんの家計収支の現状、お金の使い方の現状を徐々に掘り下げて明らかにしていく作業に入ります。
すると、『お金が貯まらない』とお悩みの方々に、ある共通点があることが見えてきます。今回は、その『お金が貯まらない』共通点について、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。取り上げるのは、3つの項目です。
さて、あなたはいくつ当てはまるでしょうか?
お子様がいる世帯、夫婦のみ世帯、シングル世帯など、世帯の人数に関わらずチェックできる項目ですので、是非確認してみてください。
Text:平田純子(ひらた じゅんこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級建築士、インテリアコーディネーター
大阪市立大学・生活科学部・住居学科卒業。電機メーカーで商品企画の仕事を経て、好きが高じて、株式会社良品計画に中途入社。無印良品の店舗にて、家具やカーテン、照明のコーディネート提案を得意とする店長として10年以上勤務。しかしある時、お金に無計画・無頓着に過ごした自身のこれまでの人生を振り返り、後悔の念。豊かな人生を送るために、ライフプランニングの必要性を痛感。その必要性をより多くの人に伝えたいとの思いで、ファイナンシャルプランナーを志す。
現在、ファイナンシャルプランナーとして、ライフプランとキャッシュフロー分析・アドバイスを個別相談で行う傍ら、セミナー講師,や執筆も行う。得意分野はライフプラン(資金計画)、生命保険見直し、資産形成・運用。お金の相談に加えて、インテリア計画や片付け、収納計画についても、ご要望に応じて相談を承っている。
https://hataraku-okane.com/
お金が貯まらない人は、何でもクレジットカード決済をしている
手軽に決済ができるクレジットカードは、とても便利ですが、大きく二つの難点があります。
1点目の難点は、現在、手元に現金がなくても買えるという点。
その利用分の現金が口座から引かれるのは、翌月、又は翌々月です。つまり、その決済タイミングと現金引き去りタイミングのタイムラグが、使用可能なお金の中で月々やり繰りをするという私たちの感覚を鈍らせます。
2点目の難点は、何に使っているのか、結局わからない。
カードを利用したショップ名やサイト名はわかります。しかし、そのショップで何を買ったか?は、クレジットカード明細には記載されていないことがほとんどです。1点目の難点でお話した通り、明細を確認するのは、利用のタイミングから1ヶ月ほど後です。大概、思い出せません。何に使ったんだっけ?必要なものだったっけ?の記憶の遡りを毎月繰り返すことになります。
例えば、1回3,000円以下のお買い物でも、チリも積もれば何とやら。これでは、お金は貯まりません。お金が貯まらず悩んでいる方は、まずは一旦、クレジットカードの決済をキッパリ止め、現金主義に変更してみることをお勧めします。買うたびにお財布から現金がなくなっていくという感覚が、自ずとお買い物の質を上げていきますし、びっくりするほどお金が減らなくなりますよ。
お金が貯まらない人は、年間の使途不明金が多い
(1)年収はいくらですか?
(2)月々の生活費、住宅費、生命保険料はいくらですか?
(3)月々の支出以外に年間でかかっている臨時的な費用はいくらですか?
(4)年間で貯蓄できている額はいくらですか?
相談の際、基本的な事項として、必要最小限、上記4項目についてお伺いします。
かなりざっくりですが、
【(1)の手取り額】-【(2)の月々支出】×12ヶ月-【(3)の年間臨時支出】=【(4)の年間貯蓄額】というつじつまが合うはずです。
しかし、つじつまが合わないケースが非常に多いのです。さらに分解すると、(2)は家計簿等で細かく管理できていたとしても、(3)が把握できていない。旅行とか、帰省とか、家電を買い替えたとか、いろいろ臨時支出はあるでしょう。ただ、いくら突き詰めても、使途不明な支出が数十万単位で残ってしまうのです。極端なケースだと、毎月約10万、年間100万円強の使途不明金があった例もあります。
何に使っているのでしょう…?と、一緒に頭を抱えることもあります。(と、一緒に頭を抱えても、私たちFPにはその使途がわかるはずもないのですが。)このような状態では、毎年の年間臨時予算を立てることもできず、これではお金が貯まりません。
お金が貯まらない人は、月間(年間)貯蓄目標額がない
これは、逆のパターンで、「こりゃあ!貯まるな!」と感心した相談事例からの紹介です。
マイホーム購入の相談が目的のご家族でした。お子様もいらっしゃいました。基本事項のヒアリングで、年間の貯蓄額はいくらですか?の質問に対し、「2人で(夫婦で)200万円を目標にしています。」との答えが返ってきました。何と手っ取り早い!と、クリーンヒットを打たれた感触がありました。
やはり、何かを成し遂げたいとき、目的を達成したいときは、どんなことでも【目標】が必要だということに改めて気づかされた事例です。つまり、【お金を貯めたい】という目的を達成するには、いつ?いくら?という最低限の目標が必要だということです。
これを読んでいるのは、大人の方が多いと思いますので、資格取得ための勉強に例えましょう。いつの試験で何点をとればその資格が取得できるのか?まず、情報を調べて、いつ?何点?を目標に設定、そして、そこから逆算して、ゴールまでの日程とやるべきことのリストアップ、小さなステップ(目標)を定めてそのステップのクリアを重ねていくというのが、結局は、資格取得のための近道だと自らの経験から思うのです。
何となく余力があればとりあえずテキストを眺めて、そうこうしている間にあっという間に時間が経って、試験の日だから受験する。それでは、受からないですよね。つまり、お金を貯めるも同じなのです。まずは最低限、いつ?いくら?の目標がなければ、お金は貯まりません。
ちなみに、補足ですが、年間200万円の貯蓄を目標にしているこのご夫婦。実は、多少の年間使途不明金があり、貯蓄実績は180万円ほど…とのこと。ということは、その使途不明金をクリアにすれば、200万円、いや230万円も実現可能ということがわかったのでした。でも、そこまで、切り詰める必要もないですけどね。やりすぎは、却って息が詰まります。
さて、みなさんは3つの項目のうち、いくつ当てはまったでしょうか?
3つとも当てはまってしまった!という方も、心配はいりません。そういう方は、大きく貯められる、大きな可能性を秘めているということで、《コツコツ貯金》の貯蓄体質への体質改善まで、意外に近いかもしれません。まずは、ひとつずつ課題をクリアにして、貯蓄体質を目指していきたいですね。
Text:平田 純子(ひらた じゅんこ)
CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級建築士、インテリアコーディネーター