更新日: 2024.10.10 ライフプラン
独身女性は考えておくべき? シングルライフのマネープラン
今回は、いつまでに、どのくらい貯金をしておけばよいのか、シングル女性のためのマネープランを考えます。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
結婚しない女性は増えている
一度結婚したけれど離婚を経験した女性や、一度も結婚したことがない女性など、人生を1人で生きていくシングル女性の割合は年々増えています。国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料「性別、50歳時の未婚割合、有配偶割合、死別割合および離別」(2015年データ)によると、配偶者の有無も含めて女性の50歳時の状況は以下のとおりとなっています(※1)。
未婚割合 :14.06%
有配偶割合:73.88%
死別割合 :1.88%
離別割合 :10.18%
このデータによると、女性の約7人に1人が未婚、10人に1人が離婚し、シングルとなっています。なお、2000年時点の女性の未婚率は5.82%となっており、未婚率が急速に増加している傾向にあることが分かります。
シングル女性が必要となるお金
年々増加傾向にあるシングル女性は、どのような場面に備えて、いくらくらいお金を準備しておけばよいのでしょうか。モデルケースを見ながら確認していきます。
【自分の病気】
自分自身が病気などで働けなくなった場合に備えて、療養中の生活費や医療費を貯金しておく必要があります。
生活費については、一般的に普段の3ヶ月分くらいのお金があれば安心です。
また、万が一に備えて保険に加入する人もいるかもしれません。特にシングル女性は、医療費負担を考えて「女性特有の病気に備える保険」「就業不能保険」など、たくさんの保険に加入している方もいるでしょう。
しかし実際は、高額療養費制度など国の制度を活用すれば、保険に加入しなくでも医療費を払えるケースがあります。自分でしっかりと働き、貯蓄がある場合は、あれもこれもと過剰な内容の保険に加入しないよう注意しましょう。
【マイホームの購入、メンテナンス】
シングルで生きていこうと考えている女性の中には、マイホームを購入する方が多くいます。家の購入は、家の値段のほかにさまざまな必要経費が掛かるので、事前に調べておくことが重要です。
また、住宅ローンの支払いが終われば毎月の住居費は減りますが、マンションの場合、管理費の支払いは住んでいる限り続きます。そして例えば10年に一度など、マンションの大規模修繕に合わせて修繕費用を支払わなければならないこともあります。
【親の介護】
SOМPОホールディングス株式会社が行った「介護費用に関する調査」の結果によると、「入居型介護施設」への入居費用の平均は約 74 万円、「在宅介護」における初期費用の平均は約 64 万円、月々に掛かる経済的負担は約 7.5 万円となっています(※2)。
親に貯金があり、このような介護費用を自分で支払うことができれば問題ないのですが、資金が足りない場合は子どもが支援しなければならないケースがあります。
特に、シングル女性で兄弟などがいない場合は、両親2人の面倒を引き受けなければならないケースもあり、負担が多くなることが考えられます。両親がどのくらい貯金があるのか、介護費用の援助が必要なのか、事前に話し合っておくと安心です。
【老後費用】
一般的には仕事をリタイアするまでに、2000万円の貯蓄があると安心です。正社員として長らく働いていた場合は、退職金などでまとまったお金をもらうことができます。堅実に働いていれば、2000万円の貯蓄は決して難しいことではないので、計画を立てながらお金を貯めていきましょう。
いかがだったでしょうか。シングル女性は自分1人でさまざまな資金を準備しなければならないため、働けるうちはしっかりと働き、より多くの収入を得ておくことが重要です。これからも1人で生きていこうと考えている女性は、今回ご紹介した内容を参考にしながら、自分のマネープランを立ててみましょう。
出典
(※1)国立社会保障・人口問題研究所 -人口統計資料集(2021)-(性別,50歳時の未婚割合,有配偶割合,死別割合および離別割合:1920~2015年)
(※2)SOМPОホールディングス株式会社 「介護費用に関する調査」結果(2020年9月3日)
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者