更新日: 2024.10.10 その他家計
現在利用している銀行口座を別の支店の口座に移したい。口座の移管って?
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
支店間で移すことはできる?
基本的に、引っ越しなどの個人的な理由で取引口座を変更したいときには、今現在取引している支店、もしくは、これから取引を希望する支店で手続きができます。ただし、取引内容によっては、新しい支店で手続きできないこともありますので、よく確認してください。
そして、このように取引を別の支店へ移すことを「移管」といいます。基本的に移管の手数料はかかりませんが、詳しくは取引支店で確認が必要です。
~手続きに必要なもの~
・所定の移管手続き書類
・通帳、証書、契約書などの現在の取引で利用しているものすべて
・銀行に届け出ている銀行印
・キャッシュカード など
・本人確認資料
これが、一般的に必要になるものです。
移管は非現実的? メリットとデメリットはある?
ほとんどの銀行で移管をすることは可能ですし、どのように手続きすればよいのかのルールが決められています。
ただし、実際に手続きを申し出ても、普通預金などなら新たに同じような口座を作ることを勧められることもあるかもしれません。また、定期預金などの満期があるものは、満期になったら解約して、新たに新しい店舗で作り直すことを勧められることもあります。
移管を選択しない方もいらっしゃいます。その理由としては、現在の口座のまま、支店をまたいでほとんどの取引をすることができるからなのです。ここで移管のメリットとデメリットを考えてみます。
~メリット~
・今まで取引をそのまま新しい支店に引き継ぐことができる
・新たに口座を作らなくても良い
・口座が増えないため、お金の管理がしやすい
・手続きが1回ですむ
など
~デメリット~
・手続きに店頭に出向いたり、相談したりしなければならない
・取引内容によっては移管できない場合がある
・手続き完了まで、おおむね1ヶ月は見ておく必要がある
・口座番号が変わるので今までのキャッシュカードが使えなくなる
・口座引き落としなどをしている場合、口座情報変更の連絡を各引落先に連絡、手続きしなければならない
など。
メリットとデメリットに感じることは、個人によって違いがあるかもしれません。ただ、一般的にいえるのは、メリットよりも引落口座の変更など、デメリットのほうが目立つ傾向にあるかもしれません。
移管の制度はよい制度に思えますが、デメリットの部分を十分に考慮して、どうするのか判断してください。
支店内で別口座へ移動する場合
今はハッキングなど口座の暗証番号が知られてしまったなどの被害を受け、同じ支店内で口座番号を変更できないか? と考える人もいらっしゃるかもしれません。
まず、基本的には1人が1つの銀行内で作ることのできる口座数が決まっています。ほとんどが、総合口座は1人1口座と決まっています。基本的に別口座に移動するというよりも、現在利用している口座を解約して、新たに作り直すことのほうが現実的でしょう。
総合口座の場合、1銀行、1人につき1口座までしか持つことはできません。口座のハッキング被害等金融被害に遭われた場合には、口座番号を変更するという方法をとることになります。
基本的に、口座をそのままに新たな口座にする場合には、口座番号は変わってしまいます。通帳やキャッシュカードは再発行することになり、所定の再発行の手数料がかかります。また、引落口座を変更しばければならない場合は、その手続きをしなければなりません。
いずれにしても、支店間の移管、支店内での別口座の移動であっても、どのような手続きが必要になるのか、取引店でしっかりと確認して、総合的に判断するとよいでしょう。
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト