簡単シンプルに家計の管理! 家計簿を続けるための秘訣は?
配信日: 2021.12.16 更新日: 2024.10.10
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
“使える金額”を決めることが無駄遣いの抑止力に
収入は増えていないのに、モノの値段が上がっています。値上げのニュースを聞くと、節約が気になります。この時期書店には来年の家計簿に関する書籍が並びますので、「やはり家計簿をつけないとダメかな」と頭を抱える人もいらっしゃるのではないでしょうか。
家計簿をつけなくても、簡単にお金の管理ができる方法があります。いわゆる“袋分け”です。給料日に今月の予算を振り分けて、それぞれの袋にお金を入れて管理します。この袋分け方法は2種類あります。
【費目別に管理する方法】食費・被服費・日用品……などに分ける
長所:何に使う費用かが分かりやすい
短所:食費や日用品は頻度が高く、管理するのが面倒
【週ごとに管理する方法】全体を5つに分けて週ごとに分ける
長所:月管理に比べて「使いすぎ」の発覚が早いので、修正がしやすい
短所:買い物の頻度が違うので、5分割に合わない費目がある
お気づきのように一長一短ありますので、ここは合わせ技、つまり長所を生かした方法がお勧めです。
まず、今月予定している洋服代やイベントの費目の袋を作り、予算を確保します。「袋を作る」というのはイメージですが、個別に管理しておくことが肝要です。でないと他の費目で足りなくなった場合にズルズル使ってしまい、洋服が買えなくなる事態に陥ります。
また欲しい洋服が予算を大きくオーバーしそうな場合、他のどの費用から融通するのかを考える時に役立ちます。食費や日用品など買い物頻度が高いものは、まとめて管理します。
例えばスーパーで買い物した場合、費目別に分けるのは面倒です。面倒な作業があると、袋分け管理法も長続きしません。決まりはありませんので、なるべく簡単シンプルに管理できるように工夫してください。
この支出頻度の高いものについては、週ごとに管理する袋分け方法で管理します。今週使える金額が決まると、あとは予算内でのお買い物ゲームの感覚です。
これで値上げラッシュに対抗できるのか? と思われるかもしれませんが、日々の買い物風景を想像してください。スーパーでの買い物の時、レジカゴの中には必需品だけでなく嗜好(しこう)品がいくつもあるはずです。
「チョコレートが食べたい」「このスナック菓子、安くなっているので買っておく?」となった場合、どうしても食べたいチョコレートはまだしも、たまたま見かけたスナック菓子は無駄遣いです。
使える金額が決まっていることは、無駄遣いの抑止力になります。「節約しなくては」と、欲しいものを我慢する必要はありません。食料品に限らず、本当に欲しいものは我慢するのではなく、無駄遣いを止めることが大切です。
“先取預金”と“袋分け”のダブル技
貯蓄の王道は“先取預金”といわれています。給料日前に<収入-支出>で残った金額を貯蓄するのではなく、給料日直後に貯金して残った金額を生活費にあてるやり方です。家計管理の王道は、“袋分け”だと思います。
週ごとに管理するだけでなく、さらに細分化して毎日の予算で管理するやり方を推奨している方もいらっしゃるかもしれません。個人的には週単位が実行しやすいと実感しています。
実は筆者は、約30年間家計簿をつけています。続ける秘訣(ひけつ)はザックリつけることです。費目分けはしません。することは3つです。
(1) 使った金額を店ごとにメモする
(2) メモの残高と実際のお財布の残高と照合する
(3) 今週は、あといくら使えるかの確認
これで十分です。(2)で金額が合わなくても神経質になる必要はありません。本題は1週間の予算内で納めることです。
冒頭で“家計簿はつけなくても”と書きました。それなのになぜ、ここで家計簿の話をしているかというと、昨今はキャッシュレスの時代です。1週間1万円と予算していても、クレジットカードやスマホに現金、となると使った金額が把握しにくいのが現状です。
複数の支払い方法を行っている方は、筆者が行っている家計簿風の支出メモを取り入れられることをお勧めします。さらに「どうしても家計管理が苦手」という方は、一度すべてを現金払いにして、袋分けを徹底するのも一案です。
“先取預金”と“袋分け”のダブル技を自分のものにしてみませんか。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士