更新日: 2022.01.19 家計

会社は副業解禁しているのに「副業を認めない上司」に対処する2つの方法

執筆者 : 藤木俊明

会社は副業解禁しているのに「副業を認めない上司」に対処する2つの方法
副業を解禁する会社が増えており、パーソル総合研究所の発表では55%に達してします。※1
 
ところが、副業を解禁しているはずの会社の社員に聞いてみると、「会社が認めているのに上司が認めてくれない」「上司に副業申請をしづらい」という声が聞こえてきます。みなさんの会社はどうですか?
 
就業規則で認めないと記載している会社ではなく、会社じたいが副業・複業を認めているのに上司にブロックされるというのはおもしろくない話です。そこで、そんな上司に納得してもらえる方法を考えてみましょう。
 
 
藤木俊明

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

社会課題の解決のための副業をする

1つ目は「社会課題の解決のための副業をする」と決め、上司や組織に申請することです。
 
多くの大企業では会社の理念やビジョンに「社会課題の解決」を掲げていると思います。この言葉を実行したいと述べると、反対派の上司や組織は反対しづらいはずです。
 
以下に、社会課題の解決に係わる副業の例を挙げます。
 

1 プロボノとして地域課題の解決に従事する(ほぼ無償)

プロボノとは仕事のスキルを活かしたボランティアとして、地域課題の解決に取り組む活動です。報酬は期待できませんが、会社外のネットワークが築けます。
 

2 地方自治体の副業人材募集に応募する(有償または無償)

現在、地方自治体が「広報」や「IT」などの職種を副業で募集しています。リモートで働ける案件が多いですし、一定の費用も支払われます。
 

3 経済産業省のマネジメントメンター(主に関東地方で実施)のような地域の産業活性化に応募する(有償)

これは50歳以上、関東圏のビジネスパーソンに限られますが、課題を抱えた中小企業の支援を3回行うものです。有償で、掛け持ちもできます。また、支援した会社と話が合えば、継続的に顧問契約を結べます。
 
「我が社の理念は社会課題解決に貢献することでしたよね? 私は個人の立場でも社会貢献を副業で行って、その経験をまた会社に持って帰りたいと思います。つまり私の副業経験は会社のためになるのですが、認められませんか?」などと、話してみればどうでしょうか?
 

副業をする方が社員のスキルが伸びるというデータがある

2つ目は、副業をやった方がスキルが伸びるという根拠を示すことです。
 
上司には、「副業して自分のスキルを伸ばすなんていうけど、そんな根拠あるのか。あったら見せてみろ」と副業を否定する上司もいるかもしれません。
 
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社(以下「パーソルP&T」)が興味深い調査を行いました。パーソルP&Tが全国1,300名のビジネスパーソンを対象に「キャリア資産実態調査」を実施したところ、複業経験者の「キャリア資産」は未経験者に比べ約1.2倍高いことが明らかになったということです。
 
パーソルP&Tは「キャリア資産」を、生産性資産(技術的スキル、ビジネススキル、コミュニケーションスキルなど)・活力資産(精神的健康、肉体的健康、自己創出感など)・変身資産(アイデンティティ、ネットワーク、存在意義など)の3つで構成されるとしています。つまり、ビジネスパーソンの持つ“目には見えづらい価値”を『見える化』したということですね。
 
その結果、「複業実施者のキャリア資産は非実施者と比較し、すべてのキャリア資産項目が約1.2倍高い結果になった」とまとめています。これはつまり、副業(=複業)を実施した人の方が、副業をしない人に比べてキャリア資産が1.2倍になるということです。
 
「部長、この調査を見てください。副業をやっている人の方がキャリア資産が高いという結果が出ています」などと、話してみればどうでしょうか?
 

副業解禁など会社風土を整備して離職率が下がることも

さらに、「副業解禁で会社が伸びた例」をプラスしておきます。
 
上場企業で早い時期から副業解禁を決めたサイボウズです。筆者調べでは(※3 リベラルタイム2021年9月号に寄稿)、サイボウズ社の売上は副業解禁を公開した2012年から現在まで伸び続けています。また、サイボウズはかつて離職率が30%近くに達していましたが、評価制度を見直し社内風土を改善して、現在は3~5%程度に抑えられています。
 
サイボウズの例は単に副業解禁で売上が伸びたり、離職率が改善したわけではなく、副業解禁を含む社内風土の整備が大きかったのだと考えられますが、上司あるいはもっと上の経営層に例えとして述べるにはいい事例ではないかと思います。
 

まとめ

本来、本業の仕事に差し支えない限り、休みの日や退社後は、何をしても自由なはずです。
 
という話をすると、「そうはいってもうちの会社ではむずかしい」と言われることが多いのですが、「小遣い稼ぎはなく、ちゃんと目的がある」と説明して、理解を得たらどうでしょうか?
 
※1 「パーソル総合研究所、副業に関する調査結果(企業編)を発表」
※2「社員のキャリア形成を支援する最新HRテック『プロテア』全国1,300名のキャリア資産可視化を実現 複業経験者のキャリア資産は未経験者に比べ約1.2倍高いことが明らかに」
※3 リベラルタイム2021年「条件付き複業許可」が可能にする「人件費削減」と「自己実現達成」
 
執筆者:藤木俊明
副業評論家

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