更新日: 2022.04.26 家計の見直し

新生活がスタート! 家計を見直してみよう

執筆者 : 柴沼直美

新生活がスタート! 家計を見直してみよう
節目や新しい生活を実感するこの時期に、これまで先延ばしにしてきた毎日の家計について、心機一転見直してみましょう。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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ステップ1:支出項目のうち、固定費と変動費に分けよう

第1段階として、支出項目を固定費と変動費に分けましょう。固定費は工夫して節約しようとすると、抜本的な見直しが必要になりますので、どのくらいあるのかを把握するにとどめます。
 
固定費の代表的なものとしては、住居費・光熱費・保険料・通信費・自動車の維持にかかる費用・教育費などが挙げられます。これに対して、食費・日用品に掛かる費用・美容費・交際費・小遣いなどが変動費に入ります。
 
そのほか、月々の支出額が一定でないものは変動費に含めましょう。こちらは、ちょっとした工夫でストレスなく抑えることが可能な場合があります。
 

ステップ2:変動費で埋もれている支出をチェックしよう

固定費は、家計の中で毎月必ず支払わなければならない費用ですから、しっかり認識できています。これに対して、よく分からないものを「その他」として変動費に含めていますが、家計見直しの際にまずチェックするのは、この変動費です。
 
例えば、毎月決まって1000円とか980円など、たいした金額ではないけれど、口座から引き落とされているというものはないでしょうか?
 
例えば、収納は代行企業に委託しているため、会社名も見覚えがなく、何の金額として引き落とされているのかも分からなくなっているのに、金額も少額だから「ま、いっか」とそのままにしているものはないでしょうか?
 
こういった出費も必ず確認しましょう。新生活において、無駄な費用である可能性があるからです。
 

ステップ3:意外な落とし穴 その1「サブスク」

最近のコロナ禍で在宅時間が長くなり、1人で過ごす中でスマホは貴重な情報収集源であり、ショッピングサイトであり、余暇の相手としても欠かせない存在になっています。
 
そこで、何気なく目にした商品やサービスで、無意識のうちに定期購入(サブスクリプション)したものはないでしょうか。
 
こういったサブスクリプションものは、初回こそ大幅な値引きがされているケースもありますが、2回目以降は通常価格に戻ってしまい、実は思いのほか支出を引き上げてしまいます。
 
「定期購入のしばりはない」と明記しているものの、解約は相当前に申し出なければならなかったりして、「ついつい」申し出のタイミングを逃してそのままズルズルと続けてしまうケースも見受けられます。
 
例えば、アイテム1つは月々1000円であっても、2つ3つと積み重なっていくと、それなりのまとまった出費になります。
 
2回目以降、料金の引き上げになっていたり、最低3ヶ月は継続しなくてはならない、などというしばりがあって、そのまま放置したりしていると、あっという間に1万円を超えてしまうというケースもあるでしょう。
 
アプリの定期購入では、紙媒体と違って、「モノ」が手元にないために、使っていないのに継続購入されていることは起こりがちです。このような無駄がないかをチェックしましょう。
 

ステップ4:意外な落とし穴その2「デリバリー」

コロナ禍では、外に出向いてみんなで食事を楽しむという機会が減り、リモートワークが導入され、一日中家にいて、仕事もプライベートタイムもすべてパソコンとスマホで完結と、いう生活を少なからず経験した方も多いでしょう。
 
食事はデリバリーで、と軽い気持ちで始めたけれど、気づいたら1週間に一度は利用している、とはなっていないでしょうか。家からほとんど出ていないが、時々スーパーに買い物に行っているならば、配達代が無駄遣いになってしまうこともあります。
 
しかも、この配達代は食事代と一緒に支払いになりますから、“ついつい払い”になって「支払った」という意識が低いかもしれません。そして、このような便利なサービスは「始めるとやめられない」という性質を持っています。
 
適宜サービスを利用するのは問題ありませんが、「無意識な支払い」になっている場合は、ぜひ目を向けてみましょう。
 

ダイエットと家計運営は同じ:意識するところからはじめよう

「ダイエット」は廃れることはありません。それは生きている限り、自分のカラダと付き合っていかなければならないからです。家計運営もまったく同じです。
 
よくダイエットでトレーニングをするときに、「今どこの筋肉を鍛えているのか意識してください」といわれることがあると思いますが、これはそのまま家計運営にもあてはまります。
 
「何となく」「知らず知らず」といった支出をやめて、「何のためにこの金額を支払っているのか」と意識することから始めましょう。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者