更新日: 2024.10.10 ライフプラン
サラリーマンのお小遣い平均は約3.7万円 家計的にはいくらが適正なのか
よく、収入の1割という目安を耳にします。確かにその程度で設定している家計はうまく回っていることが多い実感があるので、あながち間違いではなさそうです。
今回はサラリーマンのお小遣いの平均と、お小遣いの決め方について考えてみます。
執筆者:塚越菜々子(つかごし ななこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
https://mamasuma.com
未就学児がいるパパのお小遣いは約2.5万円
新生銀行が行った「2017年サラリーマンのお小遣い調査」(※)によると、男性会社員の平均のお小遣いは約3.7万円となっています。
これは未婚のサラリーマンや、大学生以上の大きい子がいるサラリーマンのお小遣い額も平均されています。
未就学児のみがいる世帯のパパのお小遣いは約2.5万円、小学生のみがいる世帯のお小遣いは約2.3万円という結果になっているようです。世のお父さんがた、いかがでしょうか?
※ 2017年サラリーマンのお小遣い調査
http://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf2017/170626okozukai_j.pdf
重要なのは「お小遣いの金額」だけじゃない
「手取りの1割」にしても、上記の「平均」にしても、あくまで「一般論」の数字です。同じ未就学の子を持つパパだとしても、世帯の手取りが60万円と30万円だったら、お小遣いとして受け取れる金額も変わってくるはずです。
また、金額よりもっと大事なのは「そのお小遣いに含まれるものはなにか」ということです。
仕事に行っている日の昼食をお小遣いから払うのか、はたまたお弁当を持って行ったうえでその金額なのか、会社での宴会代などのお付き合い費は? 身だしなみとしての美容院は? タバコ代は? ママへの誕生日プレゼント代は? などと、何が含まれるかによってまったく金額の意味が変わってきます。
初めにその定義を取り決めないと、結果としてあいまいになり家計からの支出になってしまうなど、お小遣い制の意味がなくなってしまいます。
お小遣いから家計の見直しに着手してはいけない
お小遣いは自由に使えるものだからこそ、家計を見直す際はぜいたくのように感じて、ついそこから減らしたくなってしまいます。
まじめに家計を見直そうと思う家庭ほど、お小遣いを切り詰めて貯蓄を増やそうとしてしまいますが、それはあまりお勧めできません。
結果としてお小遣いを減らさざるを得ない場合ももちろんありますが、まずは家計の全体像を把握して、あまり価値を感じていないものや、なんとなく出て行ってしまっている支出を確認しましょう。
全体の収入から避けて通れない支出を割り出し、残りがわかってから初めて「いくらお小遣いを取れるのか」という手順をお勧めしています。
我慢ありきでの見直しはリバウンドの原因となってしまうからです。
ママもお小遣いにして公平に
パパはお小遣い制なのに、ママは家計から自由に使っている、という家庭も見かけます。「そんなに使わないから」と言いながら、実はママ友とのランチや洋服・化粧品などを家計費から買っていて、それが原因で貯まらなかったということも実はよくあるのです。
パパをお小遣い制にするなら、自分も同じようにお小遣い制にする。もちろん金額は夫婦で話し合い、家計内で問題がなければ自由に決めて構いません。
「なんで自分だけ」という思いがどちらかにあると、家計をうまく回らなくする原因になります。
お小遣いというと「我慢するもの」「少ないもの」「減らされるもの」というイメージが強いです。ですが、世間一般の数字に合わせるのではなく、自分の家の状況を確認することで、納得して金額が決められるようになります。
欲しいからといってお金が湧いてくるものではありません。お小遣いという枠のなかで、自分が価値あるものにお金を優先的に使っていく練習は、必ず家計を上手に回すうえで役に立つものです。
家計の状況を把握し、お小遣いの定義・金額を取り決め、安心して家計管理ができるといいですね。
Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催