更新日: 2022.08.19 働き方

家賃補助が出ればOK?昇給すればOK? 赴任手当はいくらが妥当?世間の転職に対する意識をチェック

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

家賃補助が出ればOK?昇給すればOK? 赴任手当はいくらが妥当?世間の転職に対する意識をチェック
ある日突然降って湧いた転勤話に頭が真っ白になった……という経験がある人もいらっしゃるかもしれません。
 
独身の転勤ならまだしも、家族がいる状態での転勤はフットワーク的になかなか難しいもの。いざ自分や家族が転勤を命じられた際、世間の皆さんはどのように対応するつもりでいるのでしょうか。
 
まずは、エン・ジャパン株式会社が運営する『エン転職』ユーザーのうち1万165名を対象に行われた調査の結果(※1)を見てみましょう。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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転勤が退職のきっかけに? およそ1割の人がその経験アリ

いざ自分が転勤を言い渡されたら、どのように感じるか想像してみたことはありますか?
 
転勤を命じられた場合、もはや退職を検討してしまうという人は全体の64%にも上りました。退職を考えることはないと回答した人はわずか13%。多くの人にとって、転勤はかなり嫌なことのようです。
 
たしかに、結婚や出産などの予定に影響が出ないとは言い切れませんし、現職場の居心地がいい場合は別の環境に身を移す気にはなかなかなれないものですよね。
 
むしろ転勤を歓迎する人からは「退職を考えていたところだったので、逆に環境を変えられてありがたかった」という経験談や、「引越しにかかる費用をはじめ社宅完備、その他手当が出るなら喜んで!」という前向きな意見も出ました。
 
転勤を言い渡されて退職を考えるという人が6割を超えましたが、実際に退職したという人は1割弱。3年前の調査では5%とのことなので、ここ数年で転勤を命じられて退職したという人がじわじわ増えていることが分かります。
 

転職を拒否する人が増加傾向? 承諾するなら条件付き!

さて、世間の人々は転勤を命じられたとして、どのような対応を取ろうと考えているのでしょうか。
 
承諾するという人は16%。条件付きでなら転勤してもいいという人は36%でした。一方で、どのような条件があろうとも拒否するという人は26%。どうするかまだ分からないという人が22%という結果に。3年前の調査では、承諾する計が63%でした。ここ数年で11ポイントマイナスになっています。
 
また、3年前の調査では拒否すると回答した人が19%だったため、ここ数年で7ポイント増えていることが分かります。
 
転勤を承諾する人が減り、拒否する人が増えているという事実が浮かび上がってきますね。コロナをはじめ社会情勢が大きく変化したことが、一つの理由になっていそうな気もします。
 
ちなみに、具体的にどのような条件があれば転勤を承諾するか(複数回答)というと、1位は「家賃補助がでる」で62%、2位は「昇進・昇給」で60%、3位は「転勤期間が決まっている」で42%でした。「家賃を出してくれれば転勤OK!」「昇進や昇給があればやる気が出る!」という、金銭的な条件を望む人が6割を超えているようです。たしかに、金銭的なメリットがなければわざわざ慣れた環境から離れて働くという気にはなれないかもしれません。
 
一方でどんな条件をつけられても拒否すると回答した人の理由(複数回答)としては、1位が「配偶者も仕事をしているから」で34%、2位が「子育てがしづらいから」で30%、3位が「親の世話・介護がしづらいから」で28%でした。独身の方に限定した調査であればまた違った結果になっていた可能性がありますが、既婚者の方も含まれている調査ではやはりこのような結果になるのが当然なのかもしれません。
 
転勤で家族そろって引っ越しとなるのも大変ですし、家族を置いて単身赴任というのも不都合が発生するもの。どんなに金銭的な条件がよくとも、首を縦に振りにくいというのが現実のようです。
 

転勤に伴う費用は自腹⁉ 理想的な赴任手当の平均は●万円


 
最後に、東急住宅リース株式会社・東急社宅マネジメント株式会社が発表した調査結果(※2)から、転勤にまつわる具体的なお金事情を見てみましょう。この調査は、既婚男女1000名(転勤経験のある既婚男性500名+夫の転勤に伴い一緒に引っ越しをした経験のある既婚女性500名)を対象に行われたものです。
 
直近の転勤で発生した費用(引っ越し費、住居費、帰省費など)の全額を会社が負担してくれたという人はおよそ25%。そして、なんと手当はなく全額自腹だったという人は32%という結果に。その他の人は多かれ少なかれなんらかの手当が出たということですが、それにしても全額自腹の人の割合が一番高いというのはなかなか厳しいものがあります。
 
さまざまな負担が伴う転勤ですから、毎月の住宅手当とはまた別に赴任手当を支給する企業もあります。その理想的な金額を聞いてみると、男性1位は「5万円〜10万円未満」でおよそ24%、2位が「3万円〜5万円未満」でおよそ22%、3位が「20万円以上」でおよそ15%という結果に。半数近くの人が、だいたい3万〜10万円が理想的だと考えていることが分かります。なお、平均は8万9000円でした。
 
妻視点からの回答でも、1位「5万円〜10万円未満」(28%)、2位「3万円〜5万円未満」(およそ25%)、3位「10万円〜20万円未満」(およそ16%)とだいたい同じような結果に。こちらの平均は9万1000円でした。
 
家族そろっての転勤は、さまざまな手続きなど含めて考えただけでも頭が痛くなってしまうもの。それでも「転勤してよかった」と思えるようになるには、会社からの支援や手当が欠かせないということになりそうです。
 
家族や自分の仕事にもよりますが、転勤はいつ自分ごとになるか分からないもの。そのとき自分がどう動くべきか、なんとなくシミュレーションしておいてもよさそうですね。
 

出典

※1 エン・ジャパン株式会社「転勤に関する意識調査」
※2 東急住宅リース・東急社宅マネジメント調べ「ビジネスパーソンの転勤事情に関する調査2020」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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