更新日: 2024.10.10 働き方
扶養内で「確実に」働くには?「103万、106万、130万、150万円の壁」の違いを解説
今回は、それらの違いと具体的な内容について詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「103万の壁」と「106万の壁」
前述したように、「103万の壁」とは、年収が103万円を超えてしまうと所得税を払わなければならなくなるというものです。例えば、年収が105万円になると、103万円を超えた2万円分に所得税がかかります。その場合、所得税率5%をかけた額である1000円を納めなければなりません。
それぐらいなら少しくらい超えてもいいと思う人もいるかもしれませんが、被扶養者が学生だった場合はそれだけではありません。その場合、被扶養者の年収が103万円を超えると扶養者が扶養控除を受けられなくなるのです。
扶養控除額は被扶養者が19歳以上23歳未満だと所得税で63万円です。仮に扶養者の所得税率が10%であったとしたら、扶養者の税負担が6万3000円分増えてしまうのです。
ただし、配偶者の扶養に入っている人は扶養控除ではなく配偶者控除になります。配偶者の扶養に入っている人は年収103万円を超えると所得税を納める必要が生じるものの、配偶者控除の代わりに配偶者特別控除が適用されます。
そのため、配偶者の扶養に入っている人にとってより影響があるのは「106万の壁」です。「106万の壁」とは、年収が106万円を超えて一定の要件に当てはまる場合、健康保険や厚生年金といった勤務先の社会保険への加入義務が発生するというものです。一定の要件は、以下の4つです。
●所定労働時間が週に20時間であること
●雇用期間が2ヶ月以降見込まれること
●1ヶ月の賃金が8万8000円以上であること
●学生ではないこと
この要件に当てはまる場合、配偶者の扶養に入っている人は会社の社会保険に加入するか、それができない場合は自身で国民年金と国民健康保険に加入しなければなりません。
「130万の壁」と「150万の壁」
「130万の壁」とは、すべての人が扶養から外れて社会保険に加入しなければならないラインです。年収が130万円を超えると、年収106万円の際の要件に当てはまらなかった人も、扶養を外れて社会保険に加入しなければなりません。
「150万の壁」とは、扶養者の配偶者特別控除におけるラインです。配偶者の年収が150万円以内であった場合、扶養者の年収が900万円以下であったならば、配偶者特別控除を満額の38万円受けることができます。
しかし、配偶者の年収が150万円を超えると控除額は段階的に減ってゆき、配偶者の年収が201万円以上になると、扶養者の年収がいくらであっても配偶者特別控除はなくなります。
扶養内で働きたいなら、学生は103万円、配偶者の扶養に入っている場合は106万円以下に抑えよう!
家族の扶養内で働きたい場合、学生であれば年収を103万円以下に抑える必要があります。社会人で配偶者の扶養に入っている人の場合、年収103万円以上でも106万円以下であれば住民税の負担のみです。
しかし、勤務先の会社や雇用条件によっては年収106万円以上で社会保険に加入する義務が生じます。106万円の際の要件に当てはまらない場合でも、年収が130万円を超えると社会保険に加入しなければなりません。社会保険に加入したくないのであれば年収106万円以内、配偶者特別控除を満額受けたいのであれば年収150万円以内に抑えるようにしましょう。
出典
国税庁 No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか
国税庁 No.1195 配偶者特別控除
国税庁 家族と税
厚生労働省 パート・アルバイトのみなさまへ
厚生労働省 配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさまへ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部