ジェネリック医薬品で家計の負担はどのくらい減る?
配信日: 2023.01.16 更新日: 2024.10.10
医療機関からもらう薬には、「先発医薬品」と「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」があることをご存じでしょうか? 「ジェネリック医薬品」は価格も安く、家計の負担軽減につながります。
本記事では、生活習慣病を例に、ジェネリック医薬品がどのくらい家計の負担を減らすのかについて解説します。
執筆者:齋藤彩(さいとう あや)
CFP
ジェネリック医薬品って何?
処方箋が必要な医薬品には「先発医薬品」と「ジェネリック医薬品」があります。
「先発医薬品」は、長い年月と膨大なコストをかけて研究・開発され、有効性・安全性を確認し、国の承認を受けて販売されます。
そのため、医薬品の価格である薬価には、原材料費だけでなく研究開発費や特許料など、さまざまなコストが反映されます。また販売後一定期間は、有効性・安全性を確認する調査も行われます。
「ジェネリック医薬品」は、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、同一の効能・効果(※)を持つ薬です。先発医薬品の特許が切れ、販売後の有効性・安全性を確認する調査が終了した後に販売されます。
そのため、先発医薬品ほど研究開発費などがかからず、薬価は安くなります(先発医薬品が効能追加を行っている場合など、異なる場合があります)。
生活習慣病とは?
厚生労働省の「生活習慣病予防のための健康情報サイト」によると、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、40歳前後から死亡率が増加することが分かっています。大腸がんや肺がんも、生活習慣が関与しているといわれています。
これらの生活習慣病は、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されており、日本人の三大死因(がん、脳卒中、心臓病)に大きく関与しています。
風邪などの治療は一過性ですが、生活習慣病は薬を長い間服用し続けることもあります。例えば高血圧症の場合、血圧が高い状態が続くと、脳卒中や心臓病に発展する可能性があります。
これらを予防するために、生活習慣の見直しや、長期間に及ぶ医療機関の受診と薬の服用が必要になることもあります。少なからず家計への影響もあるでしょう。
どのくらい家計の負担は減る?
ジェネリック医薬品を選ぶと、どのくらい家計の負担が減るのかを、生活習慣病を例にみてみましょう。
※服用している薬の種類は人によってさまざまなので一例です。すべての人が当てはまるわけではありません。
≪高血圧症で以下2剤を服用している場合≫
医薬品A(a錠5mg):22.1円/錠
医薬品B(b錠40mg):75.8円/錠
医薬品A’(a’錠5mg):10.8円/錠
医薬品B’(b’錠40mg):23.7円/錠
1日当たりの差額は63.4円、1年で2万3141円になります。医療費の自己負担が3割の人の場合、10年服用すると、6万9423円の負担減になります。
まとめ
ジェネリック医薬品は先発医薬品よりも薬価が安く、薬の有効性・安全性は同等です。
本記事では高血圧症の薬を例に解説しました。どの程度家計への負担が減るかは、服用している薬の種類や数、服用期間などで異なりますが、高額な薬を服用している、錠数が多い、服用期間が長い人などは、ジェネリック医薬品を一度検討してみてもよいでしょう。
出典
厚生労働省 ジェネリック医薬品への疑問に答えます ~ジェネリック医薬品Q&A~
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 生活習慣病とは?
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 高血圧
厚生労働省 SMART LIFE PROJECT 生活習慣病を知ろう!
執筆者:齋藤彩
AFP