更新日: 2023.02.07 家計の見直し

今は物価高・・・インフレ・デフレについてもう一度確認してみよう

執筆者 : 田久保誠

今は物価高・・・インフレ・デフレについてもう一度確認してみよう
2022年以降、ウクライナ侵攻などの影響で多くのモノが値上がりし、生活に大きな影響を及ぼしています。このように物価が上がることをインフレといいます。
 
つい数年前までは物価が下がるデフレとなっていて、それが10年以上続いてきましたが、今はその逆です。インフレ・デフレとは何か、インフレ下での資産運用はどのようにするのが良いのか見ていきましょう。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

インフレ・デフレとは

インフレ=インフレーションとは、モノの値段(物価)が上がり、結果、相対的にお金の価値が下がることです。例えば、1台200万円の車がインフレで1台250万円になった場合、これまでの200万円の価値を得るには250万円払うことになり、お金の価値が下がったことになります。デフレ=デフレーションとは、インフレの逆の状況をいいます。
 

インフレ・デフレが起こる原因は?

インフレが起こる原因として主に2つの原因があります。
 
景気が良いとモノがよく売れ、需要が供給を上回りモノの値段が上がります。これをディマンド・プル・インフレといいます。また、原材料の高騰等、モノを作るための費用が上がり、その結果モノの値段が上がります。これをコスト・プッシュ・インフレといいます。今の日本の現状は、主に後者がインフレの原因となっていますね。
 
特に今は、景気がよいとは決していえない状況での原材料や資源価格の上昇に伴う物価の上昇ですので、このような場合をスタグフレーションといいます。
 
デフレはこれと逆の状況です。また、景気が悪い状況でのデフレ下ですと、もう少し待てばもっと値下がりするかもと消費者が考えてしまうのでさらに物価が下がることになり、この現象をデフレスパイラルといいます。
 

インフレのメリット・デメリットは

インフレは、消費者心理として上記のデフレスパイラルと逆で、もう少しするとさらに値上がりするかもしれないと考え、先延ばしせずに消費を行うのでさらにモノに対しての需要が増加し、供給を上回ることで発生します。そうすると企業の売上が増えるため、収支が改善され、従業員の給料も上がるなどして市場にお金が回り、結果的に景気の上昇というメリットがあります。
 
また、お金の価値が下がるということで、住宅ローン等の借金がある場合にはその返済が比較的楽になっていく傾向にあります。
 
逆に、これまで貯めてきた預貯金は実質目減りします。上記の例で車が200万円から250万円になるということは、それまで200万円の預貯金があっても買えなくなるということになり、これをインフレリスクといいます。資産の中でも主に現預金や債券はインフレリスクに弱い商品です。
 
ただし、今回のインフレのようなコスト・プッシュ・インフレの場合は、原料価格の高騰によってのモノの価格上昇ですので、家計へのダメージが強い要素を含んでいます。
 

インフレ下でどんな資産運用が向いているの?

インフレ下での資産運用は、上記のように現預金や債券はインフレ下では目減りしてしまいます。インフレ対策としての有効な資産は、有価証券・不動産が主なものになります。
 
有価証券は、一般的に企業業績の善しあしによって株価が決まります。物価の上昇により企業の売上や利益が上がると、個別の株式も上昇する可能性が高いため、インフレの時には有価証券を保有するのも1つの手です。
 
不動産は実物資産ですので、こちらも一般的にはインフレの時には上昇する可能性があります。不動産投資を行っているのであれば、インフレの影響で賃料の上昇も期待できるかもしれません。ただし、現状では資材価格や人件費の高騰で建築費用が高騰していますので、これから建物を建てる場合は注意が必要です。
 

今できることをやっていこう

インフレ対策は一朝一夕にすることは難しいです。しかし、日々に生活の中で削減できる固定費、例えば、節電や必要以上に買いすぎる食料品、スマートフォン等の通信費、生命保険料、サブスク料金などを見直すのも効果的です。できることから取り組んでみましょう。
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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