更新日: 2024.10.10 貯金
将来のお金の不安を解消するには、貯めるか増やすか、どちらを優先すべき?
ところが、現状は物価高騰により家計は苦しく、投資どころではないというのも現状です。そこで今回は、将来のお金の不安の解消のために「貯めるのか」「投資をするのか」の考え方についてお伝えします。
執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
目次
預貯金がなくても投資はするべきなのか
「預貯金が少なくても今の時代は投資をしたほうが良いのか」という質問に対しては、一概には言えませんが答えはNOです。預貯金が少ないのであれば、まずは家計を見直し、お金を貯めるシステムを作りましょう。そのシステムの延長線上に投資があります。そのシステムができあがっていない状態で、投資にお金を回すのは少し危険です。
そのため、預貯金が少ない人は、自分が一番使用している通帳の中に、まずは生活費の半年から1年分のお金を保管し続けられる状況を作ってみてください。この目安は、万一自分や家族の大黒柱の身動きが取れなくなったときに、収入が止まることを想像し、そのときに生活ができる最低限の金額といったイメージで良いかと思います。まずはそこから準備してみてはいかがでしょうか。
投資を始めるのはいつのタイミングが良いのか
預貯金の額がある程度貯まってきたら、その場合はやはり投資を始めるのがおすすめです。そこで、次は投資をスタートさせるタイミングがポイントとなります。
投資に限らず物の売り買いでお金をもうけるためには、「低価格で購入し高価格で売る」が一番です。その当たり前ができれば投資で失敗することはないのですが、プロの投資家ですら「低価格」「高価格」を予測することは難しいです。
なので、タイミングを考えるよりは、投資の基本的な考え方の1つである「長期」を意識してみてください。
長期がポイントである理由は「経済のゆるやかな成長」です
「長期」が投資の基本的な考え方の1つである理由は、経済は時間をかけてゆるやかに成長するということが、過去の傾向から証明されているからです。ただ、あくまでも「過去」の話なのでもちろん絶対ではありません。
経済は、景気が悪くなったり良くなったりを繰り返しながら、時間をかけてゆるやかに成長していきます。そのため「時間をかける」必要があります。例えば、景気の悪いときに低価格な投資信託を購入し、景気の良いときに高価格になったその投資信託を売却すればもうかります。
しかし一方で、景気の良いときに高価格な投資信託を購入し、景気の悪いときに低価格になった投資信託を売却すれば、損をします。しかし、時間をかけて、景気の良いときと悪いときとを何度となくやり過ごすと、ゆるやかに経済が成長するとともに価格が上がる可能性が高いです。
そのため、「長期」が投資の基本的な考え方の1つとなるのです。
貯めるか増やすかの優先順位は「貯める」が優先です
お金を貯めることと増やすこととに優先順位はない、という意見もあります。それはすでに貯める仕組みづくりはできているけれど、目標とする預貯金額に到達していないだけであり、このままにしておいても自然とお金が貯まるのは明確だから、優先順位はない、ということです。
そのため、システムができ上がっていない人はそのシステムを作り、まずはお金が貯まっていくことを確認し、その後に投資を始めましょう。投資を始めたら、続けることも意識してください。
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士