更新日: 2024.10.10 家計の見直し
【実録】4人暮らしで「水道料金4万5500円」が「2万円台」に! 家庭で行った「2つのこと」とは?
本記事は「水道料金4万5500円(2ヶ月分)」という検針票を見て驚いた筆者の家庭が、節水に取り組んだ体験談です。2つのことを実行し、半年後の水道料金は2万円台(2ヶ月分)に落ち着きました。この経緯を紹介します。
執筆者:福嶋淳裕(ふくしま あつひろ)
日本証券アナリスト協会認定アナリスト CMA、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本商工会議所認定 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
リタイアメントプランニング、老後資金形成を得意分野として活動中の独立系FPです。東証一部上場企業にて、企業年金基金、ライフプランセミナー、DC継続教育の実務経験もあります。
水道料金(2ヶ月分)の推移
【図表1】
検針日 | 水道料金 |
---|---|
2022年4月1日 | 3万6160円 |
2022年6月1日 | 4万5500円 |
2022年8月1日 | 3万6700円 |
2022年10月3日 | 3万260円 |
2022年12月1日 | 2万3660円 |
2023年2月1日 | 2万8120円 |
筆者作成
2022年6月1日の検針、つまり4・5月に使用した水量で4万5500円を請求され、半年後は2万円台に下がっています。
居住者、水道の使用状況
現在4人(男性2人、女性2人)が住んでいる二世帯住宅です。
・戸建て1階の台所、洗面所、浴室、洗濯機は高齢女性1人が使用(1階トイレは井戸水使用のため水道料金に無関係)
・2階の台所、洗面所、浴室、洗濯乾燥機、トイレは成人男性2人と成人女性1人の合計3人が使用
・男性2人のうち1人と女性2人の合計3人はほぼ在宅状態
・男性のもう1人は2022年3月までは平日出勤、4月からは在宅勤務
・屋外で使う水は井戸水のため水道料金に無関係
節水のために行った2つのこと
「お風呂」の節水と、きっかけは故障でしたが「トイレ」の節水を行いました。
お風呂のお湯張りをやめる
まず、お風呂のお湯張りに着目しました。
●6月から11月まで
2階のお風呂は、それまで毎日お湯を張り替えていました。「湯船につかろうがつかるまいがシャワーの使用水量は変わらないはず。湯船を使わなければ、単純にその分、使用水量が減る」と考え、6月の途中からお湯張りをやめ、シャワーだけにしました。シャワーヘッドは節水効果があるとされるものを以前から使っています。
なお、洗濯には水道水を使用しています。洗濯機には風呂水をホースで給水する機能がありますが、かなり前に試した結果、手間が面倒だったため使っていません。
●11月以降
夜間寒くなってきた11月の途中からは再びお湯張りすることにしましたが、毎日ではなく2日に1回としました。試してみたところ、2日目のお湯の汚れなどはまったく感じませんでした。初夏になったら、お湯張りをやめるつもりです。
トイレを交換する
5月ごろから2階のトイレの温水洗浄便座が徐々に不調になり(7月ごろにはノズルの水勢が超強力なまま調整不能の状態に)、温水洗浄便座だけ交換するか(数万円程度)、便器を含めて全体を交換するか(20万円前後と想定)で意見が分かれましたが、半信半疑ながら節水効果にも期待して全体交換することにしました。
●交換前
2階のトイレは、便器の後ろ側に貯水タンクがある、昔ながらのタイプでした。しかも、水を流すレバーに「大・小」の区別がないものでした。長い年数、ごく少量の「小」であっても「大」の水量を盛大に流してきたわけです。
●交換後
近所の家電量販店で薦められた商品を注文し、9月2日に交換、設置してもらいました。この家電量販店が、温水洗浄便座で有名な住宅設備機器メーカーとタイアップして商品化したものとのことです。主な特徴は次のとおりです。
・ふたが自動で開く
・座ると自動でプレミスト(汚れ防止のため便器内に霧を噴霧)し、脱臭開始
・立ち上がるとふたが自動で閉まり、「大・小」を判別して自動洗浄、パワー脱臭とノズル除菌が自動作動
・トイレ内で手洗いとタオルが不要に(非接触型アルコール除菌自動噴霧器が付属)
・洗浄の水量は3段階(大4.8リットル、小3.6リットル、eco小3.4リットル)
・便器の後背部に貯水タンクを内蔵し、低水圧マンションや戸建て2階にも設置可能
諸経費・消費税含め、一式22万1720円でした。
ちなみに、さまざまな設定を試した結果、「ふたの自動クローズ」と「自動洗浄」は使っていません(立ち上がったらリモコンで「ふた開閉」ボタンと「3段階の水量」ボタンを押すほうが動きは速く、かつ水量を指定できるからです。感覚的には「eco小」でも十分に洗浄できます)。
2つの工夫の効果を検証
「2022年4月1日検針 3万6160円」が「6月1日検針 4万5500円」と約9000円増えた原因は、男性の1人が4月から在宅勤務となり、トイレの使用回数が増えたことが主因と考えました(男性2人とも、トイレの回数は多いほうです)。
「6月1日検針 4万5500円」が「8月1日検針 3万6700円」となった変化は、6月の途中から2階のお風呂でお湯張りをやめた節水効果だと推測しています。
「8月1日検針 3万6700円」が9月2日のトイレ交換を経て「10月3日検針 3万260円」となった変化は、約1ヶ月分のトイレ節水効果の影響といえます(1ヶ月分で約6000円)。
その次の「12月1日検針 2万3660円」は、トイレ節水効果の影響が丸々2ヶ月分表れたものと考えています。8月1日検針と比較すると「2ヶ月分で約1万3000円の節水」となり、「9月の単月で約6000円の節水」とつじつまが合います。この見方が的外れでないとすると、トイレ交換費用は3年程度で回収できそうです(22万1720円÷6000円として)。
一方、「12月1日検針 2万3660円」が「2023年2月1日検針 2万8120円」にリバウンドした原因は、11月の途中からお湯張りを再開したことと思われます(ただし、張り替えは2日に1回)。2023年1月には2階の洗濯乾燥機を交換しましたが、これがリバウンド原因の1つかどうかは分かりません(洗濯の量や回数、使い方に変化はなく、同じメーカーの同じタイプの後継製品に買い替えただけです)。
まとめ
昔ながらの貯水タンクがあるトイレで、かつ「大・小」の区別がないレバーのものを使っている家庭は、トイレの全体交換が期待以上の節水効果を生む可能性があります。販売店やショールームなどで相談してみてはいかがでしょうか。
お風呂のお湯を毎日張り替えている家庭は、2日に1回の張り替えを試してみるのもよいかもしれません。
執筆者:福嶋淳裕
CMA、CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、1級DCプランナー