更新日: 2024.10.10 家計の見直し
国際情勢を鑑みて、これからお得な電力会社とは…?
ここでは、電気代高騰の背景とお得な電力会社をどう選べばいいかについて紹介します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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国際情勢と電気料金の関係
ロシアのウクライナ侵攻により、欧米を中心にロシアに経済制裁を加えています。ロシアはLNGや石油などのエネルギー資源の輸出大国ですが、日本も資源の多くをロシアから調達してきました。新型コロナ感染症からの経済回復に伴い、エネルギー需要が拡大する一方、エネルギー供給はスムーズに拡大していません。
また、日本は2050年までにカーボンニュートラル実現を表明しています。このため、CO2を排出する火力発電所を削減し、CO2を排出しない再生可能エネルギーや原子力発電所の割合を高める必要があるのです。火力発電所の休廃止を進める一方、原子力発電所の再稼働は思うように進んでいません。こうした背景で電力供給は厳しく、電力需給がひっ迫して電気代が高騰しています。
電気代の仕組み
電気料金は「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」および「再生可能エネルギー発電促進賦課金(以下「再エネ賦課金」)」で構成されます。
・基本料金
基本料金は電力使用量に関係なく、契約容量(アンペア数)で決まる固定料金です。
・電力量料金および燃料費調整額
電力量料金は1kWhの電力量料金単価に1ヶ月の消費電気量を乗じた額に燃料費調整額を加えて計算します。電力使用量が多くなるほど電力量料金単価は高くなります。電気は原油、LNGなどを原料として作られ、海外などからの調達コストで発電する費用は増減します。燃料費調整額は燃料費変動に応じて電気料金を調整するものです。
・再エネ賦課金
再エネ賦課金は電力会社等が一定期間、再生可能エネルギーを固定価格で買い取ることを義務付けた制度です。これは、コストの高い再生可能エネルギーによる発電を普及させるのが目的です。電力会社が買い取りに要した費用の一部を、消費者が再エネ賦課金として負担しています。
電力会社は何を基準に選べばいいのか
電力料金の仕組みは複雑で、単純比較は難しいです。確認するのは以下のポイントとなります。
・契約内容変更を検討
検針票で契約アンペア数と電気使用量を確認しましょう。アンペア数は多いほど基本料金は高く、また、電気使用量が多いほど電力量料金単価は高くなります。アンペア数を見直せないか検討してみましょう。また、電気使用量では、他の電力会社の単価を調べ、どの電力会社の年間電気料金が最も安くなるかチェックしてみましょう。
・最適な料金プランの選択
電力会社は、会社ごとにさまざまな特徴あるプランを提供しており、わかりにくいのが実情です。しかし、大別すると3パターンになり、ご家庭の使用状況に最適なプランを選ぶことが大きなポイント。最も一般的なプランは、「従量電灯プラン」で、、「基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金」で計算します。
次に紹介するのは、「電力量料金単価が変動するプラン」で、デイタイムに比べて夜間の電力量料金単価が低く設定されています。昼間は電気の使用量が少なく、夜間に多くなるオール電化住宅に最適です。最後は「定額制プラン」です。これは一定の電気使用量まで定額で、安定した毎月支払額が魅力となっています。電気使用量が多い大家庭におすすめのプランです。
・お住まいの地域で安い電力会社を探す
電気料金は地域ごとに大きく異なるので、お住まいの地域でどの電力会社が安いのか比較するのも大きなポイントです。
きちんとシミュレーションして賢い選択をしよう
燃料費調整額も資源の乏しい日本では、再エネ賦課金は今後も上昇していくことが見込まれます。この記事では、契約内容の変更、最適な料金プラン、地域で最適な会社の選択などにより、電気料金を引き下げる方法を提案しました。しかし、電気料金体系は複雑で、電力会社やプランを変更したらかえって割高になることもありえます。
このため、候補の電力会社が見つかったら、電気の使用状況などを具体的に伝えて、現在の年間電気料金と比べて安くなるか確認するのが確実です。また、世帯人数、居住地域や現在の電力会社、プランなどを入力すると、現状と比べて最もお得な電力会社や安くなる金額を教えてくれる電気料金のシミュレーションサイトもあります。こうした方法を効果的に活用して、賢い選択をしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部