「洗濯乾燥機」の電気代を節約するにはどうすればいい? 乾燥方式によっては「2倍以上」の差に!?
配信日: 2023.05.27 更新日: 2024.10.10
本記事では洗濯乾燥機の電気料金はどの程度なのか、具体的な節約方法などについて解説します。
執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
洗濯乾燥機の電気料金はどのくらいかかる?
洗濯乾燥機の電気料金は具体的にどのくらいかかるのか説明します。
洗濯乾燥機には2つの乾燥方式がある
乾燥機には大きく分けて、「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」の2つの乾燥方式があることをご存じでしょうか。
ヒーター式は乾燥機内のヒーターで乾かす方式で、ヒートポンプ式と比べると仕組みがシンプルで本体価格は安めです。ただし、電気料金が高くなるほか、高温で乾燥させるため衣服を傷めやすいのがデメリットです。
ヒーター式はさらに「空冷除湿タイプ」と「水冷除湿タイプ」に分かれており、水冷除湿タイプは乾燥で発生する水蒸気を冷水で除湿するため、水道料金もかかります。
ヒートポンプ式は、エアコンのように空気中から熱エネルギーを集める方式です。乾燥温度が低めで衣服を傷めにくく、電気料金もヒーター式より安めです。一方で、ヒーター式よりも仕組みが複雑で本体価格が高い点がデメリットといえます。
ヒーター式とヒートポンプ式のランニングコストの違い
ヒーター式とヒートポンプ式のランニングコストはどの程度異なるのでしょうか。比較してまとめてみました。1日に1回洗濯・乾燥を行うという想定で、1kWhあたりの電気料金は31円としています。
図表1
各メーカーのWebサイトを参考に筆者作成
図表1を見ると、ヒーター式とヒートポンプ式を比べるとヒーター式の方は2倍以上電気料金がかかることが分かります。ヒートポンプ式であれば、1日1回使ったとしても1年間の電気料金は7000円弱ですむため、ランニングコストを節約したい場合は、ヒートポンプ式を選んだ方がよいでしょう。
洗濯乾燥機の電気料金を節約するには
洗濯乾燥機の電気料金を節約するにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは3つの方法を紹介します。
自然乾燥と併用する
洗濯物の乾燥をすべて乾燥機に任せるのではなく、自然乾燥も併用すると電気料金を節約できます。具体的には、自然乾燥で水分をある程度飛ばしたあとで乾燥機を使えば省エネになります。この方法を使えば、年間395kWh(電気料金に換算すると1万2245円)の省エネになるというデータもあります。
電気料金のプランを変更する
乾燥機を使う機会が多いのであれば、夜間に電気料金が安くなるプランを選ぶ方法もあります。
例えば、東京電力の「スタンダードS」では夜間の電気料金は120kWhまでは19.91円、300kWhまでは26.49円と使用量が増えるごとに高くなりますが、「夜トク8」というプランでは夜間の電気料金は一律21.75円です。日中に電気を使う機会が少ないのであれば、電気料金が夜間にお得になるプランへ変更してもよいかもしれません。
洗濯物の量を減らす
洗濯物が多いと乾燥に時間がかかるだけでなく、洗濯物も生乾きになりがちです。急ぎで乾かしたい洗濯物のみ乾燥機を使い、急がないものは自然乾燥をさせるなど、乾燥機を使う洗濯物をできるだけ減らせば、それだけ乾燥機を使う時間が短くなり電気料金も抑えられます。
まとめ
雨が続いたときでも洗濯物を乾かせる乾燥機は便利ですが、乾燥方式が2つあり電気料金が大きく異なります。ランニングコストを抑えたい人はヒートポンプ式を選ぶとよいでしょう。また、自然乾燥の併用や電気料金プランの変更などによっても節約が可能です。上手に乾燥機を活用して電気料金を節約しましょう。
出典
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問Q&A
経済産業省資源エネルギー庁 家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬
東京電力エナジーパートナー 夜トクプラン
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士