更新日: 2023.06.23 働き方

就業前に「掃除」、就業後に「翌日の仕事の準備」をしています。この場合「残業代」は出ますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

就業前に「掃除」、就業後に「翌日の仕事の準備」をしています。この場合「残業代」は出ますか?
早朝に掃除をすることが当番で決まっている、という会社もあると思います。この場合、就業前であれば残業代は出るのでしょうか? また、就業後に翌日の仕事の準備をする場合に残業代が出るのかも気になるところです。
 
そこで本記事では、就業前に掃除、就業後に翌日の仕事の準備をする場合に残業代が支払われるのかについて解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

そもそも労働時間とは?

そもそも労働時間とは「使用者(会社側)の指揮命令下にある時間」のことです。つまり、会社側の管理下に置かれている時間を指します。会社側の指示や慣習によって拘束される時間は労働時間です。
 

時間外労働に該当するもの

労働時間の上限は法律によって決められています。「1日8時間、1週40時間」が法定労働時間です。
 
会社側は法定労働時間を超えて労働させる場合、労働組合や労働者の過半数の代表者と労使協定を結び、労働基準監督署に届け出なければいけません。労働基準監督署に認められると、法定労働時間を超えて労働させることが可能になります。これが時間外労働です。
 
例えば、上司の指示によって定時内で終わらない量の仕事をすることになった、就業後に強制の研修に参加させられた、といった場合に法定労働時間を超えると時間外労働として認められます。時間外労働として認められると、残業代として割増賃金を請求することが可能です。
 

就業前に掃除、就業後に翌日の仕事の準備をする場合

就業前に掃除をすることや就業後に翌日の仕事の準備をする場合について、前述の基準を当てはめます。どちらについても「労働時間に該当し、さらに時間外労働に該当」すれば残業代が支払われます。
 

就業前に掃除をする場合

就業前の掃除が労働時間に該当するためには、掃除が会社側の指揮命令下にあることが必要になります。掃除が当番制である場合や会社の慣習によって強制的に掃除をさせられているような場合は、会社側の指揮命令下にあるといえるので労働時間に該当します。
 
しかし、就業前の掃除が自主的な場合は会社側の指揮命令下にあるとはいえないので、労働時間に該当しません。労働時間に該当し、掃除の時間を含めて法定労働時間を超えた部分に関しては残業代が支払われます。
 

就業後に翌日の仕事を準備する場合

就業後に翌日の仕事を準備する場合についても、仕事の準備が会社側の指揮命令下にあれば労働時間に該当します。
 
この場合においても、自主的にしているのであれば労働時間には該当しません。しかし、会社側の指示がなかったとしても、「仕事の準備を前日にしなければ次の仕事ができない」といった通常業務と関連性があるといえる場合は労働時間に該当します。
 
労働時間に該当する場合は、仕事の準備の時間が法定労働時間を超えると残業代が発生します。
 

自身の場合はどのようになるか、あてはめてみましょう

就業前に掃除、就業後に翌日の仕事の準備をする場合は、「労働時間に該当し、法定労働時間を超える」と残業代が発生します。残業代が支払われないことは労働基準法違反なので、会社側に請求してみましょう。
 
会社に長く勤めるためには職場環境も大切です。職場環境の改善のためにも、自身の場合はどのようになるのか、あてはめて考えてみましょう。
 

出典

厚生労働省 労働時間の考え方 「研修・教育訓練」等の取扱い
厚生労働省 法定労働時間と割増賃金について教えてください。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

ライターさん募集