更新日: 2023.06.27 働き方

2つの職場でパート勤務中です。両方から「社会保険加入」を勧められた場合、どちらを選べば良いですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

2つの職場でパート勤務中です。両方から「社会保険加入」を勧められた場合、どちらを選べば良いですか?
家計を助けるために短時間の仕事を掛け持ちしている場合、勤務条件によっては社会保険加入が必要となる場合があります。両方の職場から社会保険加入を勧められた場合、どちらを選べば良いのでしょうか? 本記事で解説します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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両方の職場で、それぞれ社会保険に加入するの?

例えばAとBの2つの職場で働き、両方での加入条件を満たす場合には、AまたはBのどちらか1つを「主な職場」として、日本年金機構と健康保険組合に「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」の申請を行う必要があります。
 
2つの職場のうち、給与金額が多い職場を「主な職場」としておくと良いでしょう。
 

確定申告はどうすればいいの?

複数の勤務先から給与をもらっている場合、確定申告が必要です。全ての給与金額を合計して所得税を計算します。
 

<試算例:2つの給与収入の合計が年間288万円の場合>

A社での給与収入180万(月額15万円)+B社での給与収入108万円(月額9万円)=年間収入288万円
 
・厚生年金保険料:26万3520円(月額2万1960円)
・社会保険料:14万4000円(月額1万2000円)
・雇用保険料:1万800円
・所得税:5万1800円
・住民税:11万3700円

 
手取り収入は約229万6180円となります。
 
2つの職場で社会保険加入条件を満たしている場合は、それぞれの収入金額をもとに2つの職場で社会保険料を案分(比例して分ける)して天引きされるので、社会保険料と厚生年金保険料は、試算例と異なる場合もあります。1つだけの職場で社会保険への加入条件を満たしている場合は、2つの職場での給与収入合計額での社会保険料計算は行われません。
 
確定申告を行って清算し、正しく納税すると良いでしょう。
 

雇用保険も2ヶ所から天引きされるの?

雇用保険は「主に給与をもらっている職場」だけで加入でき、2ヶ所で加入できません。日本年金機構に「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出するときに記入した「主な職場」で雇用保険に加入手続きをおこなうことになります。
 

住民税はどの職場で天引きされるの?

2つの職場でもらった給与金額を合計して住民税が計算され、翌年に、主な職場での住民税額に反映されて天引きされます。それぞれの勤務先に分けて住民税を納めることはできないため、主な勤務先での住民税金額が多くなってしまいます。副業が禁止されている職場で働いている人は、注意する必要があります。
 

まとめ

2つの職場でそれぞれ社会保険加入の条件を満たす場合には「主な職場」を決めて手続きを行う必要があります。給与収入が多い職場を選ぶと社会保険料などが上がりますが、将来に受け取れる年金見込み額も比例して上がるので、慎重に選択するのが良いでしょう。
 
本記事では、2つの給与収入がある場合を解説しましたが、本業(給与収入)と副業収入(本業とは別な雑収入)の場合は確定申告などの方法が変わるので、税務署など専門機関にご相談ください。
 

出典

厚生労働省 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集(その2)
日本年金機構 複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
東京都足立区 給与所得が複数ある場合の住民税の徴収方法の変更(令和5年度(令和4年分の所得)以降)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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