更新日: 2023.07.11 ライフプラン

“短距離走”ではなく自然な“長距離走”ペースで。ノンストレスなお金との付き合い方

執筆者 : 柴沼直美

“短距離走”ではなく自然な“長距離走”ペースで。ノンストレスなお金との付き合い方
2050年には高齢者比率は40%に迫ると推察され、老後の生活は「国」や「地方」では賄いきれなくなっています。今や「自助努力」はマストになっています。40代では子育てや教育資金が優先され、ひと段落ついたら50代になって残り時間はあとわずかとなっている中で、効率的に老後資金の準備をするための小さな積み重ねを拾い出してみたいと思います。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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1.ローンなどの負債は退職時には完済の方向へ

家計の資産と負債を見直します。負債があれば、できるだけまとまったお金を使える現役時代が終わるときには完済させることが理想です。
 
物価上昇は今後も続く可能性があります。すでに実感している方も多いでしょうが、卵や乳製品などの日用品価格の上昇で、同じ1000円を持っていても以前よりモノを買えなくなっています。借金(負債)を減らす、できればゼロに近づけて、家計の資産を守りましょう。
 

2.思いたった今からでもプチ積立を実行する

「時間ができたときに手続きしよう」ではなく、思いたったときに少額でも積立を実行して、「何気なく使う」自由なお金の枠を意識して小さくしましょう。
 
最近では、クレジットカード会社のポイントで積立ができたり、100円からの投資ができたりするなど、気軽に始められる積立投資の仕組みが充実しています。手続きもクレジットカード保有者であれば、スマホから簡単に進められるものが多くあります。「たかが100円」でも30日続ければ、「1ヶ月3000円」、それを12ヶ月続ければ3万6000円の積立ができます。
 
積立投資では、おおむね3年を過ぎたころから利子が利子を生む「雪だるま効果」を実感できるようになることが統計的にもいわれています。やらなかったからといって、1日100円で何ができるかといえば、大した買い物はできないでしょう。少額でも良いので、コツコツと積立投資を進めておくことをおすすめします。
 

3.利用していないサブスクがないか確認する

オンライン雑誌や動画、物品の定期購読など、「1ヶ月間(初回)無料、その後も大幅割引!今登録すれば、○○な特典がついてお得」などといった宣伝にのせられて、ついつい登録したものの、実はあまり利用していないというサブスクはないでしょうか。
 
オンラインであるために書類のやりとりがなく手軽ですが、登録した事実も忘れがちになります。どうしても試したい場合は、必ず目につくところに「いつ登録した」か、「いつ次回の支払い予定日がくるか」を記録して、利用していない場合や興味がなくなった場合には早めに対応しましょう。
 
仮に1年更新の場合なら、購読料もある程度の金額になりがちで、先述“プチ積立”の努力が帳消しになってしまいますので注意しましょう。
 

4. 「たまにはリッチな気分」を見直す

今まで定期的に食事をしていたレストランなどがあれば、来店する頻度などを少し見直すのもよいでしょう。
 
オシャレな雰囲気を楽しみたくて、ネットで評判のあるお店を何気なく選ぶと料金も高額である場合もあります。それなりのお店に行く場合はドレスコードにも気を使う、その時にしか着ないような服を買ってしまう、洋服に併せて靴やバッグも気になってしまう、というように連鎖的に出費が膨らむ可能性があります。
 
現役時代で定期的な収入が確実に入っていたとしても、必ずその時代は終わります。終わった時にいきなりやめてしまう、というのは受け入れがたいかもしれませんから、自分にプレッシャーがかからない程度に少しずつダウングレードすることを検討しましょう。
 

5. これだけは譲れない「自分へのご褒美」の目線をかえる

「いつも頑張っているから、これだけは譲れない」や「自分へのご褒美」があるという人もいらっしゃると思いますが、「ご褒美=モノ」という考え方も見直してみるのもよいでしょう。
 
先述の外食と似ていますが、モノへのこだわりから「今までバスや車で通っていたところを歩いてみる」「自然を楽しむ」「ゆっくりした時間」をご褒美と考えて「お金を使わないご褒美」を探してみてはどうでしょうか。
 
生活のなかのさまざまな習慣を見つめ直すことで、お金との付き合い方が変わります。老後に向けて、ストレスの少ない長期的なお金の使い方を見いだすきっかけを作りましょう。
 

出典

総務省:我が国における総人口の長期的推移
金融庁 つみたてNISA
 
※2023/7/11 記事を一部修正いたしました。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者
 

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