更新日: 2023.07.20 その他家計

扇風機とエアコンはどちらが電気代を抑えられる? 節電を意識して夏を乗り切ろう

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

扇風機とエアコンはどちらが電気代を抑えられる? 節電を意識して夏を乗り切ろう
電気代の高騰が家計を直撃しています。東京電力や東北電力など大手電力7社は、6月1日の使用分から電気料金をさらに値上げしました。
 
冷房シーズンに差し掛かるタイミングでの値上げは、かなり家計の痛手になりそうです。節電にも注目が集まっていますが、夏場であれば燃費の高いエアコンの代わりに扇風機を活用し、電気の使用量を抑える方法も考えられます。
 
本記事では扇風機とエアコンでどれだけ電気代に差が出るのかシミュレーションし、電気代を抑えながら快適に夏を過ごす方法をご提案します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

上昇する料金単価

まず、電化製品の電気代は以下の計算式で求めることができます。
 
・電気代(円)=1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×電気料金単価(円/kWh)
 
電気料金単価も、昨年から値上がりしています。電気料金アップを受けて、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会は、2022年7月22日に電気料金の目安単価を改定し、従来の27円/kWhから31円/kWhとしています。今回のシミュレーションでは、単価をこの31円として計算します。
 

扇風機の電気代

まずは、扇風機からシミュレーションしていきます。扇風機はモーターの種類によって「ACモーター」と「DCモーター」の大きく2種類に分けられますので、この種類別に算出します。
 

ACモーター型

ACモーター型は昔からよく使われているタイプで、風量の調節が「弱」「中」「強」の3段階のみのものが多いのが特徴です。消費電力は風量最小で27Wほど、最大で47.5Wほど。DCモーターよりも比較的安価ですが、消費電力は大きいです。
 
27Wで一日のうち18時間稼働させたとの想定でシミュレーションすると、電気代は「0.027kW×18時間×31円=15.06円」で、1ヶ月30日稼働したとすると、「15.06円×30日=451.8円」となります。
※「1kW = 1000wh」なので、27W = 0.027kWh(27w÷1000wh)
 

DCモーター型

DCモーターは比較的最近使われるようになったタイプで、細かく風量を調節できるのが特徴です。価格はACモーターより高めではありますが、消費電力は低い傾向にあり、最小風量で2.7Wほど、最大風量で20Wほどと最大でACモーターの約10分の1となります。
 
2.7Wで18時間稼働していたとすると電気代は、「0.0027kW×18時間×31円=1.50円」で、1ヶ月30日稼働したとすると「1.50円×30日=45円」となります。
 
購入時の初期費用はかかりますが、使用頻度が高いのであればDCモーターのほうが節電効果を発揮できるでしょう。
 

エアコンの電気代

次は、エアコンについてです。お使いになる部屋の広さによって消費電気量が変わってきます。一般社団法人日本冷凍空調工業会では、外気温度や設定温度を一定の条件のもと18時間稼働したケースについて以下のような目安を作っています。
 
図表1

部屋の広さ 6畳 8畳 10畳 12畳 14畳 16畳 18畳 20畳 23畳 26畳 29畳
消費
電力
~2.2
kW
2.5
kW
2.8
kW
~3.6
kW
~4.5
kW
5.0
kW
5.6
kW
6.3
kW
7.1
kW
8.0
kW
9.0
kW

「一般社団法人日本冷凍空調工業会 関連製品」より筆者作成
 
例えば、6畳の子ども部屋のエアコンであれば68.2円(2.2kW×31円)、16畳のリビングのエアコンであれば155円(5.0kW×31円)となります。それぞれ1ヶ月30日稼働したとすると、子ども部屋は「68.2円×30日=2046円」、リビングは「155円×30日4650円」となります。
 
先ほど計算した、DCモーター扇風機の100倍の電気代がかかることが分かります。部屋数が多く複数台を稼働させていれば、それだけ電気代がかかることになります。
 

エアコンを利用しながら3つの節約手段

とは言え、暑い夏を乗り切るにはエアコンは欠かせません。本項では、エアコンを使いながら簡単にできる、3つの節約方法をお伝えします。
 

フィルター掃除

エアコン内には、ごみやほこりが入らないように空気の吸い込み口にフィルターがついています。このフィルターにほこりなどが詰まっていると空気を吸い込みにくくなり、部屋を涼しくするのに電気をたくさん使うことになってしまいます。
 
フィルターを掃除して空気を吸い込みやすくすることで、空気の入れ替えの効率が上がり、少ない電力で部屋を涼しくすることができるようになります。月に1回は掃除を心掛けましょう。
 

自動運転機能を使う

少しでも電気代を安くしようと、パワーを弱めたりしていないでしょうか? また、節電のために「涼しくなったら運転を停止」「暑くなったらスイッチを入れる」など、こまめにリモコンで切り替えしていませんか? エアコンは、冷房を入れたまま自動運転にしたほうが、効率よく快適難度を維持でき消費電力が抑えられます。
 

扇風機と併用する

エアコンをつけている部屋に扇風機を回せば、冷たい空気を循環させることができます。空気が循環すれば部屋の冷却効率が良くなり、扇風機を使わないときと比べて早く設定温度まで部屋の温度が下がるようになります。
 
エアコンは、運転開始から設定温度に到達するまでに最も多くの電力を消費します。扇風機を併用することで、エアコンがパワー全開で稼働する時間が短縮されます。
 

まとめ

本記事では、暑い夏に欠かせないエアコンと扇風機の電気代を、シミュレーションして比較しました。機種によっては、エアコンの電気代が扇風機の100倍にも上ることが分かりました。
 
本文で紹介した通り、エアコンはフィルターのこまめな掃除や自動運転機能の活用などで節電効果が得られます。電気代高騰で家計にも厳しい夏を迎えますが、健康管理のためにも節電を意識しながら賢く使って乗り切りましょう。
 

出典

経済産業省資源エネルギー庁 電気料金改定について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

ライターさん募集