更新日: 2023.08.06 働き方

「不本意非正規雇用労働者」ってなに? 一生「非正規」で暮らせるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「不本意非正規雇用労働者」ってなに?  一生「非正規」で暮らせるの?
非正規雇用が増えたと問題になって久しいですが、「不本意非正規雇用労働者」ということばをご存じでしょうか。
 
「不本意非正規雇用労働者」とは、現在の非正規雇用で働いている主な理由が、「正規の職員や従業員の仕事がないから」と回答している人のことです。不本意ながら、非正規雇用で働いているため、これからのことを考えると不安な気持ちで過ごしている人も多いのではないでしょうか。
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不本意非正規雇用労働者は130万人も減少中 自分は大丈夫?

厚生労働省による「非正規雇用の現状と課題」によると、 2013年〜2022年までの間で、「不本意非正規雇用労働者」の数は、132万人減少しました。約10年の間で不本意ながら非正規雇用で働く人の割合は、減る方向にあるといえますが、年度によっては増加しており、現状に不安を抱えている人は、まだ大勢いるでしょう。
 
相談者のAさんも、もうすぐ35歳になるにあたって、「非正規」のままで暮らしていけるのか、将来が不安でしかたがないとのこと。
 
「大学を卒業した年は、東日本大震災のあとで、思ったような就職ができませんでした。とりあえず就職した会社は、まったく希望じゃない職種でした。だんだんと辛くなって、2年ほどで辞めてしまいました。それからは、正社員で仕事が決まらないまま、派遣でなんとか暮らしています。今は実家暮らしですが、先を考えると不安でしかたがなくて…」
 
今は実家暮らしで、困らない程度の月給を稼いでいると言っても、非正規雇用でずっと安定した生活を続けるのは難しいかもしれません。
 
そこで、今から始めたい、非正規雇用のこれからに備える方法を解説します。
 

このまま非正規でも、ずっと暮らしていくために備える方法

「非正規雇用労働者」とひと口にいっても、働き方はひとつではありません。
 
代表的なものを挙げてみます。

・契約社員
・派遣社員
・嘱託社員
・パートタイマー
・アルバイト

今回のAさんは、派遣社員ですが、年齢とともに雇用が先細りになる心配があります。
 
そこで、これからに備える方法として、次のものが考えられます。
 

貯蓄と投資

そんな余裕はないと思うかもしれませんが、まずは貯蓄と投資を積極的に考えましょう。実家住まいで、毎月、多少の余裕があれば初めは少しでも先取りでお金を貯蓄することです。
 
ある程度、貯まってきたと思ったら5000円からでもいいので、投資を始めてみましょう。いざという時の備えでもありますが、まず始めることで、お金への関心が高まってきます。
 

副業やダブルワークの検討

もし余裕があれば、副業を始めてみるのもおすすめです。現在は、インターネットを介した在宅でもできるライターやデザイナーなど、さまざまな副業が人気です。
 
また、趣味や得意なことを活かしたダブルワークを考えてみてもよいでしょう。詳細な情報はインターネットで調べることが可能です。
 

スキル磨きと資格学習

資格を取っただけですぐに役に立つとはいえませんが、国家資格をとることで、「学習意欲の高さ」や「やる気」を証明できますし、何より自信につながるでしょう。
 
今までの職歴につながるものがベストですが、それ以外で有益な資格として、「宅地建物取引士」や、「簿記」、「第2種電気工事士」などもおすすめです。他にもスクールに通う余裕があるなら、難関資格の取得を考えても良いかもしれません。
 

再就職にチャレンジ

Aさんは、就職に対して不安を感じているようですが、これが最後のチャンスと思って、就職活動を始めてみてはどうでしょうか。
 
とりあえず、ハローワークと転職エージェントに登録をしてみるのもよいかもしれません。正社員として就職することで、年金を始め、各種福利厚生や給料の安定は、非常に大きな安心につながるでしょう。さらに、社会的な信用度が高くなり、カードや家や車のローン審査にも通りやすくなるといったメリットがあります。
 

まとめ

非正規雇用で一生このまま生活していくことは、無理ではありませんが、安定は難しいかもしれません。それでもチャレンジできることは、まだたくさんあります。
 
1番の資本である身体を大事にしながら、今からでもできることを始めてみましょう。
 

出典

厚生労働省「非正規雇用」の現状と課題
男女共同参画局 不本意非正規雇用労働者の状況(令和3(2021)年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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