共働きの両親はもうすぐ定年です。年金は2人合わせて「月30万円」、貯蓄は「1500万円」くらいだそうですが、生活はできますか?

配信日: 2025.03.12

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共働きの両親はもうすぐ定年です。年金は2人合わせて「月30万円」、貯蓄は「1500万円」くらいだそうですが、生活はできますか?
定年退職を迎えると、その後は老後生活が待っています。老後生活に向けて、金銭的な不安がある方は少なくないでしょう。特に、年金収入と毎月の支出の収支を懸念している方は多いはずです。
 
本記事では、夫婦で毎月30万円の年金収入があると仮定して、65歳以上の夫婦2人世帯における支出の月平均額との収支などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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65歳以上の平均消費支出額

総務省の「家計調査報告〔家計収支編〕(令和5年)平均結果の概要」を参考に、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における支出の月平均額を表1にまとめました。
 
表1

65歳以上の夫婦のみの無職世帯
消費支出額 25万959円
非消費支出額 3万1538円
合計 28万2497円

出典:総務省「家計調査報告〔家計収支編〕(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
非消費支出の内訳は、直接税と社会保険料です。
 
本記事のタイトルのように、2人合わせて月に30万円の年金を受け取れるのであれば、生活をするには問題ないといえるでしょう。ただし、この収支計算はあくまでも、支出額の平均を参考にしたものです。
 
言及するまでもありませんが、実際の支出額が月に30万円を超える場合は、年金以外の収入源を用意するか、貯蓄から生活費を捻出するなどの対策が必要でしょう。貯蓄を使わず年金だけで生活するためには、月の支出額を30万円以内に収めなければなりません。
 
仮に月の支出額を28万円とした場合、本記事のタイトルのように貯蓄が1500万円あるのなら、4年と5ヶ月は年金による収入を消費せずに貯蓄を切り崩すだけで生活することも可能です。
 
ただし、これは毎月の支出額を28万円以内に収められる前提での計算です。支出額が28万円を超えるのであれば、貯蓄だけで生活できる期間はもっと短くなるでしょう。
 

60歳における貯蓄額の平均

定年退職を迎える年齢は人それぞれですが、最も早い年齢は60歳です。定年退職後は再雇用制度などを利用して再び働き始めない限り、労働による収入はなくなります。そのため、生活費をねん出するために貯蓄を切り崩すか、年金による収入に頼る方が多くなるでしょう。
 
プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険株式会社(PGF生命)は、2024年に60歳を迎えた還暦人に対して貯蓄額などを調査しています。
 
同調査によると、60歳の平均貯蓄額は2782万円とされています。前年の調査結果と比較すると、672万円の減少です。なお、同調査による貯蓄額は、配偶者がいる場合には夫婦2人分での貯蓄額となっています。
 

老後生活の支出を抑えるために

老後生活の収支に不安がある状況において、人によっては収入を増やすことが難しいかもしれません。その場合は節約をすることで支出を減らし、収支を安定させる必要があるでしょう。
 
以下に、支出を抑えるための節約方法の一例をまとめました。

●ガスと電気の契約内容を見直す
●格安スマホに乗り換える
●通信費の契約内容を見直す
●保険の契約内容を見直す
●車の維持費を見直す
●不要なサブスクリプションサービスを解約する
●自炊をする
●コンビニを利用しない
●エアコンの設定を見直す
●洗濯はまとめて行う

上記はあくまで一部であり、節約方法は人によって向き不向きがあるでしょう。自分に合う方法を模索しつつ、無理のないように実践してください。
 
支出の元となる生活費は大きく、変動費と固定費の2種類に分かれます。
 

固定費

固定費は契約内容を見直すことで、節約につながることが多いです。契約プランの見直しやその手続きは煩雑な場合も多いため、ある程度の時間を確保してから臨むといいでしょう。
 

変動費

変動費の節約効果を高めるコツは、継続的な実践です。1回の節約金額は少なくても、継続することで大きな節約効果を生むこともあるでしょう。
 

支出額が平均程度なら年金で生活可能

65歳以上の夫婦のみの無職世帯における、1ヶ月当たりの支出額は平均で約28万円とされています。本記事のタイトルのように、年金で月30万円の収入を得られるのであれば、生活するには問題ないでしょう。
 
ただし、あくまで平均の支出額による収支計算であり、毎月の支出額を安定させられる前提です。実際の支出額が30万円を超えるのであれば、年金のみでの生活は難しいでしょう。
 

出典

総務省 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険株式会社 2024年の還暦人(かんれきびと)に関する調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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