更新日: 2024.10.10 貯金
貯蓄があっても「老後への不安」が消えないのはなぜ…?安心するために知っておきたい「3つの数字」とは?
その原因として考えられることは、老後資金に関しての認識不足からくる、漠然とした不安かもしれません。そこで今回は、老後に対しての不安を軽減するために、ぜひ知っておきたいことをご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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多くの人は「老後資金」に関して不安を抱いている
三井住友信託銀行株式会社の調査において、お金に関する不安の中身で、最も多かったのは「老後資金(52.3%)」でした。年代別に見ても、「介護・医療費」「収入の減少」「インフレ(物価の上昇)」などの回答を抑えて、1位という結果になりました。
さらに、老後資金として必要な金額に対して、全年代で、4~5割の人が「わからない、見当がつかない」と回答していたことが判明。
このことから、老後のお金の不安は、自分が将来いくら必要なのか、どのくらい貯金したらよいのかなどが、不明瞭であることが、大きな要因となっていると考えられます。
「老後のお金の不安」を軽減するために知っておきたい数字
老後への漠然とした不安は、老後資金に対する認識不足が、原因の一つとして考えられます。老後資金について考えるには、以下の数字は理解しておくとよいでしょう。
・老後資金として必要な金額
・貯金すべき金額
・自分が受け取れる年金支給額
それぞれを解説します。
老後資金として必要な金額
老後に必要となるお金を計算してみると、7000万円ほどになります。総務省統計局の家計調査(2021年)によると、二人以上の1世帯あたりの平均消費支出は、1ヶ月あたり27万9024円です。
60歳で定年退職した場合、1年間で334万8288円の支出が予想され、仮に81歳まで(厚生労働省が発表した、2021年の男性の平均寿命81.47年を参照)生きたとすると、7031万4048円の出費が考えられます。
このほかにも、医療費や介護費など追加での出費が考えられるため、ゆとりある生活を送るには、もう少し多くの資金が必要といえるでしょう。
貯金すべき金額
老後7000万円ものお金が必要と聞いて、余計不安に感じた人もいるでしょう。
しかし、上記の数字には、年金などのお金が含まれていません。総務省統計局の家計調査(2021年)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の収入は、公的年金などの社会保険給付分21万6519円に、その他の収入を加えて、23万6576円とされています。
また、65歳以上の夫婦のみの無職世帯になると、毎月の支出は少し抑えられて、25万5100円になると想定されています。
上記の収支の差額は1万8524円となり、この分を自分たちで賄う必要があるのです。不足分は1年にして22万2288円であり、60歳から81歳までに必要な金額は466万8048円になります。
ライフスタイルや、それぞれの経済状況によっても変わりますが、この不足金額を目安にして、貯金をするとよいでしょう。
自分が受け取れる年金支給額
年金は、支払った保険料に応じて支給額が異なるため、人によって、支給される額が変わります。厚生労働省が発表したデータによると、国民年金と厚生年金の月額平均支給額は、以下の通りです。
・国民年金(老齢年金 25年以上):5万6479円
・厚生年金(老齢年金):14万3965円
※厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参照
国民年金だけでは、支給額が少ないという印象を持つ人も多いでしょう。あくまでも平均値ではありますが、年金だけでは、老後の生活費を賄うことは難しいかもしれません。
老後への漠然とした不安は計画的な資産計画で軽減されるかも
多くの人は、老後にいくら必要なのかが不明瞭であることから、将来のお金に関して、漠然とした不安を抱いていることが分かりました。
自分たちは「老後にいくら必要なのか」「いくら貯金すればよいのか」「年金はいくらもらえるのか」を把握することで、漠然とした不安は軽減されるかもしれません。将来のお金に関して、迷うことがあれば、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみましょう。
出典
三井住友信託銀行株式会社 三井住友トラスト・資産のミライ研究所 令和の資産形成事情「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2023年)
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要 家計収支の概況(二人以上の世帯)
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要 総世帯及び単身世帯の家計収支
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況 1 主な年齢の平均余命
厚生労働省 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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