更新日: 2019.01.11 ライフプラン

【相談実例】「普通の主婦ですが副業したいけどスキルがありません」 いえいえ。家事も十分に副業に生かせます!

執筆者 : 藤木俊明

【相談実例】「普通の主婦ですが副業したいけどスキルがありません」 いえいえ。家事も十分に副業に生かせます!
「ふつうの主婦です。副業をしたいのですけど何にもスキルや資格がありません」というお話を聞きます。
 
「いえいえ。実は主婦が毎日家族のためにしている家事はじゅうぶんに副業に生かせるスキルですよ」とお伝えすると、けげんな顔をされてしまいます。
 
逆に、「副業に生かすためにこの資格を取ろう」とか「副業のためにはこのパソコン一式揃えてください」といううたい文句こそ怪しいです。主婦が毎日ふつうにしていることがどんな副業につなげられるかを説明しましょう。
 
藤木俊明

Text:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

毎日の家事スキルが副業に生かせます

主婦が毎日やっている掃除、片付け、洗濯、買い物などの「家事」はみんなスキルです。
 
まず、「家事代行」という副業があります。家事代行スペース募集で検索してみてください。びっくりするほどたくさんの求人募集が出てきますよ。首都圏では、おおむね、時給1400円~1600円ほどの相場でプラス交通費が出ます。
 
内容は、掃除、洗濯、料理代行などいつもの家事を他人の家で行うものです。ちょっとそこには不安が残るでしょう。いろんな家事代行業者のホームページを見て、研修や、最初のうちは同行してくれる会社を選ぶようにしたいものです。
 
「家事代行」の仕事のメリットは、短時間で終えられることです。2時間程度でできる仕事が多いので、自分でスキマ時間を調整して働くことが可能です。
 
また、家事代行に近い内容ですが、「引越し前の片付け・清掃」も主婦向けの仕事だといえます。
 
筆者は、実際に引越し前に段ボールに詰める時間がなくて、引越し業者さんにお願いしたところ、引越し2時間前ぐらいに主婦の方がこられて、手際よく、しかも丁寧に段ボール箱に詰めてくれました。
 
引越し業者さんのメイン部隊が着いた頃には作業完了。お話を聞くと、「こういう片付け仕事自体が好き」で、「人に気を使う仕事やパソコンなどを使う仕事は性にあわないので」とおっしゃっていました。引越し業者さんから委託を受けたのでしょうけど、自分が支払った料金から逆算すると、時給1200~1300円ぐらいではなかったかと推測します。
 

買い物で鍛えられた主婦の目も副業スキルです

もうひとつ、ふだんの「買い物」も副業のスキルに生かせます。主婦のみなさんは、スーパーなどでじっくりと商品を見定めるでしょう。品物だけでなく、店員の応対や、店内の清潔さなどをするどく見ているのではないでしょうか? そういう「主婦のきびしい目」を必要としている企業がたくさんあるのです。
 
「ミステリーショッパー」という副業があります。これは、「覆面調査員」ということです。調査会社に登録すると、たとえばスーパーの本社から、店舗の状況を把握するために依頼する仕事が来ます。表向きはふつうに買い物をするような顔をして調査し、その店の評価をレポートするものが代表的なものです。
 
1回数千円というのが相場ですが、近ごろは、報酬はないタイプのものがあります。それは個人の好き好きですが、副業というよりはクーポンサービスのようなものに見えます。
 
もうひとつ、主婦の目を生かせる副業が「インタビューのモニター」です。これは都市部でよく行われているもので、調査会社にモニターとして登録すると、「インタビュー」の募集がきます。それに応募して、実際のインタビュー会場に行き、(多くは大手メーカーの発売前の)試作品の商品や食品などについての意見を求められます。
 
何名かでインタビューされるのをグループインタビュー、1人でインタビューを受けるのがデプスインタビューといいます。どちらも1回当たり5000~1万円程度(あるいはそれ以上)の報酬が見込め、時間は2時間~3時間程度です。時給だけを考えるとお得ですが、首都圏など都市部で生活していないとなかなか巡り合いにくい副業かもしれません。
 
これを自宅で行うモニターの副業もあります。やはり調査会社に登録して、自宅に洗剤などの日用品を送ってもらい、その使い心地などをレポートするものです。これは1回数千円レベルの報酬ですが、自宅で請けられるのでいいですね。
 
これらモニター募集もネットで探せばいろいろ出てきますが、どんな会社が運営しているのか、慎重に調べた方がいいでしょう。
 
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
明治大学リバティアカデミー講師・副業評論家