更新日: 2024.10.10 その他家計
止まらない物価高! どんな商品やサービスが値上がりしているの?
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
値上がりしている商品
まず、日本の物価高の現状を確認していきます。総務省が発表している「消費者物価指数」によると、2020年の全国の物価の平均を100とした場合、2023年の6月の総合指数(全国平均)は105.2となっています。
特に、食料品は値上がりしています。2020年の物価の全国平均を100とした場合、2023年の食料品の指数は112.2となっています。2022年6月と比べて値上がりが目立った商品としては、からあげ(10.4%の値上げ)、ハンバーガー(17.1%の値上げ)、アイスクリーム(12.0%の値上げ)、鶏卵(35.7%の値上げ)、炭酸飲料(17.4%の値上げ)等が挙げられます。
こうした食料品の値上げは、原材料価格の値上げが主な原因だと考えられます。また、上述した中ではハンバーガーやアイスクリームなど、加工食品の値上げが目立っています。
こんなサービスも値上げ
エネルギー価格の高騰に伴い、さまざまなサービスの価格も値上げされているようです。
例えば、子どもが通う水泳教室の月謝が上がるなど、スポーツクラブの利用料金が高騰しています。大手スポーツクラブであるコナミスポーツクラブでは、2023年6月から、料金価格の改定が行われました。スポーツクラブルネサンスでも、個人向け月会費の値上げが行われています。
また、映画鑑賞料金も値上げされました。ユナイテッド・シネマでは、2023年7月14日上映分から、通常時の大人一般料金が従来の1900円から2000円へと値上げされました。また、シニア(60歳以上)の一般料金も1200円から1300円へと値上げされました。エネルギー価格の高騰に伴う、設備費の増加などが値上げの理由だと考えられます。
ここ数年は新型コロナウイルス感染症の影響で旅行を控えていた人も多いですが、2023年の夏は、海外に出掛ける人も増えました。しかし、エネルギー価格の高騰により、航空券の値段も全般的に上がっています。
このように、食料品に限らず、私たちの身近なさまざまなサービス価格も上昇しているのです。
物価高はいつまで続く?
去年から続く物価高は、ロシアによるウクライナ侵攻や円安が主な原因です。
ロシアによるウクライナ侵攻は現在も続いており、欧州など多くの国がロシアの石油を買わないなどの制裁を加えています。そのため、エネルギー価格が世界的に高騰し、まだしばらくは物価高の状況が続くと予測されます。
そして、日本円はアメリカドルと比べて価値が下がっており、円安傾向が続いています。円安が続くと、日本では海外からの輸入品の価格が高騰するため、食料品や商品の原材料などの価格も上がってしまいます。
私たちのもらえる賃金も上がれば、物価が上がっても問題ありません。しかし、現在のところ、私たちの賃上げ幅が物価高に追い付いていないので、家計が経済的に苦しくなったと感じている人も多いでしょう。
今後、賃金が上がり、物価がより安定してくるまでは、特にお金の管理をしっかり行い、家計を維持することが大切です。無駄遣いをしないように心がけましょう。
まとめ
現在の日本の物価高の状況は理解できたでしょうか。物価高は、各家庭にとって大きな痛手ですが、価格が安定するまで耐えるしかありません。無駄な出費を減らす、収入を増やすために副業やパートを検討するなど、工夫が必要です。今後の物価の動向に注目しながら、今自分たちができることをぜひ考えてみましょう。
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者