更新日: 2024.10.10 貯金
「幸せは人それぞれ! 収入も最低限でOKだよね!」この考え方、統計上は不幸になる恐れがある?
本記事では、収入と幸福の相関性について解説します。特に「収入は最低限でOK!」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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収入が低いと幸福を感じにくい
どのような点に幸福を感じるかは、人それぞれです。生き方の多様化が広がっている昨今ですが、普段の生活における幸福度とお金は密接に関係しています。
内閣府の収入と幸福度のデータによると、「世帯年収が高いほど、幸福感が高くなる傾向」にあることが分かっています(ただし、世帯年収が「2000万~3000万円」で頭打ちとなる)。同調査では、幸福感を判断する際に重視する基準として「自分の理想との比較や将来への期待・不安」が挙げられています。
自分の理想の生活を送るためには、多かれ少なかれお金が必要です。お金を必要としないミニマリストでも、生きていくうえで住居費や食費をゼロにはできません。「お金があったほうが選択肢は広がる」のは紛れもない事実であり、将来の経済的な不安を取り払うためにも、やはり一定のお金は必要です。
幸せの感じ方や価値観は人それぞれとはいえ、最低限の収入だけで生活を続けるのは、さまざまなリスクが伴います。
所得や蓄えが少ないことで生まれるリスク
最低限の収入で暮らしていると、貯蓄する余裕がないケースが考えられます。貯蓄がなく、普段の生活費を賄うだけの収入で暮らしていると、下記のような突発的な出費が必要となったときに対応できません。
●けがや病気による突発的な入院
●不景気による減給・解雇
●親の介護
もし貯金がゼロの場合、上記のような突発的な出費が必要となったときに、ローンやキャッシングなどの借金に頼らざるを得ません。ローンやキャッシングを利用すると利息を付けて返済しなければならず、経済的に苦しくなる悪循環に陥ってしまいます。
ほかにも、収入が低いとライフイベントに対応しづらいデメリットもあります。例えば、出産というライフイベントがあると子育て費用を工面する必要があり、基礎生活費が上がります。将来に向けて貯蓄も意識する必要があることから、生活の質が落ちてしまうリスクが考えられるでしょう。
また、近年起こっているインフレが起こると、基礎生活費が上がります。収入が上がらず基礎生活が上がると、自由に使えるお金が減ってしまいます。
つまり、自由度を優先するために収入を最低限に抑えた結果、結果的に「選択肢が減り自由を失ってしまう」リスクがあるわけです。すでに十分な貯蓄を有している場合は話が別ですが、突発的な出費や物価上昇に対応できる貯蓄がない場合、最低限の収入に抑えることにはリスクが伴う点に留意しましょう。
まとめ
幸せの感じ方や価値観は人それぞれではありますが、十分な貯蓄がないなかで最低限の収入に抑えるのはリスクが伴います。また、内閣府のデータからも、お金(収入)は生活の満足度や幸福に大きな影響を与えていることが分かっています。生活の満足度を高めたい場合は、収入を高めることに意識を向けるとよいでしょう。
意図的に収入を抑えている方は、突発的な出費に対応できないだけでなく、将来のライフイベントに対応できない可能性がある点には留意する必要があります。
出典
内閣府 人々の幸福感と所得について(中長期、マクロ的観点からの分析 2)
内閣府 「満足度・生活の質に関する調査」に関する第1次報告書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー