更新日: 2024.10.10 働き方
Z世代「出世の意味はないし、したくもない!」は短絡的? ライフプランにおける「リスク」は知っていますか?
また、出世しないことによるリスクやデメリットもふまえて、Z世代が、「出世」とどう向き合うべきなのかについても解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
出世したくないZ世代のリアル
株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する「SHIBUYA109 lab.」の調査によると、「将来的にどこまで出世したいと考えますか」という問いに対して、「出世したいと思わない」と回答したZ世代(15~24歳)は全体の27%となっており、もっとも多くなっています。
出世したくない理由として、「責任が重くなるから」が最も多く56.5%。次いで「プライベートを重視したいから」が39.9%、「仕事量と給料が釣り合わないから」が34.5%、「労働時間が長くなるから」が32.3%となっています。
仕事の価値観についての調査でも、「仕事の充実よりもプライベートを充実させて生きていきたい」と回答した人が多く、「仕事は私生活をするための資金集めの手段」「会社のためではなく自分のために働く」という考えを持っている人が多くいます。
以上の結果より、出世して責任が重くなったり、仕事の比重が大きくなることをさけたい、と考えるZ世代が多いと考えられます。
出世しないことによるリスク・デメリット
人それぞれ考え方は異なるため、出世したくないという考え方は悪いことではありません。しかし、出世しないことによるリスクやデメリットについては、理解しておきましょう。
給与が上がりにくい
日本はこれまで年功序列の考え方が強く、勤続年数が長ければ長いほど給与もじょじょに上がっていくしくみでした。しかし最近では、個々の能力に応じた給与形態をとっている会社が多くなってきています。
個人が実績をあげることで給与アップをねらえるような職種もあるでしょう。しかし、出世を断り続けると、やる気がないと判断され、給与は上がりにくくなると考えられます。
居心地の悪さ
若いうちは平社員でもいいかもしれませんが、年数を重ねていくと、自分より若い世代と肩を並べていくことになります。自分が40歳、50歳となった時に、入社して間もない若手社員と同じ仕事をやり続けると想像するとどうでしょうか。
また、同期や後輩が出世して組織をまとめる立場になっていると、自分は指示された範囲内の仕事ばかりをこなすことになります。自分よりかなり年下の社員が上司として働く日も来るでしょう。周りからは出世できない人という目でみられるかもしれません。
このような居心地の悪さも、出世しないことによるデメリットの1つとなります。
リストラされやすい
もし、将来的に会社の業績が悪くなった場合、出世していない社員が最初のリストラ対象となりやすいでしょう。年数を重ねているにもかかわらず役職についていない社員は、リストラのターゲットになりやすくなります。
仮にリストラされてしまった場合、ある程度の年齢であるにも関わらず、何の役職もなければ「仕事ができない人」という目で見られ、転職もしづらくなるかもしれません。さらに給与の低いところでしか働けない可能性もあるでしょう。
出世との向き合い方
社会で働くうえで、出世を経験することはプラスの面も多いでしょう。最近では新卒で入った会社で長く勤める人が、以前より少なくなる傾向にあります。
しかし、どのような道に進むにしても、役職に就いて部下をまとめる役割をになうことで、学べることは多くあると考えられます。「SHIBUYA109 lab.」の同調査では、責任が重くなることを懸念(けねん)するZ世代が多くいましたが、その責任は転職や独立を考えるうえでよい経験になることもあるでしょう。
まとめ
本記事では、Z世代が出世したくないと考える理由と、出世しないことによるリスクについて解説しました。働き方に対する考え方は人それぞれです。しかし、目の前の生活だけで判断するだけでなく、自分が年をとった時のことを想像することも大事になるでしょう。長い人生を考えたうえで、仕事や出世について考えることも大切かもしれません。
出典
株式会社SHIBUYA109エンタテイメント「 SHIBUYA109 lab.」調べ 「Z世代の仕事に関する意識調査」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー