更新日: 2023.11.08 働き方

興味のない仕事の「正社員」とやりたい仕事の「派遣社員」、どちらで働くべき?

執筆者 : 柘植輝

興味のない仕事の「正社員」とやりたい仕事の「派遣社員」、どちらで働くべき?
仕事選びにおいて 「安定」 か 「やりがい」 のどちらを選ぶべきであるか、1度は迷ったことがあるでしょう。興味のない仕事内容でも正社員としての安定した待遇を選ぶか、それとも不安定でもやりたい仕事ができる派遣社員を選ぶか、どちらか悩んでいる場合にお答えするべく、今回は両者のメリット・デメリット、そしてどちらを選ぶべきかを考察します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

安定的な働き方を選ぶなら正社員

正社員なら絶対に将来、安泰というわけでもありませんが、やはり一般的に安定的といわれる働き方を選ぶのであれば、正社員のほうがよいといえるでしょう。正社員であれば、会社の倒産など、よほどのことがない限り、職を失うことがないと考えられるからです。
 
それに対し、一般的な有期雇用契約の派遣社員は、長くても3年ごとに就労環境が変わります。また、派遣社員は雇用の派遣先の状況次第で契約更新がされなくなる可能性もあります。
 
給与額も正社員が、派遣社員よりも高い傾向にあります。
 
厚生労働省の 「令和4年賃金構造基本統計調査」 によれば、雇用期間の定めのない正社員・正職員の年収は、平均で534万2900円 (企業規模10人以上において、きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与そのほか特別給与額を加えたもの) となっています。
 
それに対し、正社員・正職員以外で雇用期間の定めのある働き方の場合、同計算式に従って算出すると、年収は316万7400円となります。雇用の安定、給与の高さといった基準のもとで働き方を選ぶのであれば、基本的には正社員がよいでしょう。
 

明確な理由があれば派遣社員もあり

どうしてもやりたい仕事に、派遣社員の求人しかないのであれば、派遣社員となる選択もなしではありません。目的意識を持って真剣に仕事をし、学びつづけることができれば、派遣社員から、派遣先の正社員へとステップアップすることも期待できるからです。人によっては、派遣社員として学んだことを武器に独立や起業という道へ進む方もいます。
 
また、派遣社員として経験を積みつつ、その経験を生かして同業他社の正社員になるという手もあります。一般的に転職にあたっては、正社員の経歴が重視される傾向にありますが、派遣先が大企業であったり、業務内容が高度なものであったりすると、その経歴が評価されることもあります。
 
加えて、業務内容によっては、正社員であっても年収300万円程度の会社もあれば、派遣社員であっても時給が2000円程度あり、年収が400万円近くに達することもあります。
 
いずれにせよ、どうしてもやりたい仕事があれば、将来を見すえつつ、あえて派遣社員になるという選択も、一概に間違いとはいえないでしょう。
 

どうしても迷って決められないときは?

どうしても迷って決められないときには、いったん正社員として働いておき、副業でやりたい仕事をやるという方法がおすすめです。
 
基本的に、正社員から派遣社員になるより、派遣社員から正社員になるほうが難しいとされています。よほど強い思いがない限り、まずは正社員となっておいたほうが、先の人生をみたときに後悔の少ない選択になる可能性が高いでしょう。
 
また、現在では副業を解禁する企業も多いです。SNSやクラウドソーシングサービスで仕事を探すという選択もあるため、昔より本業以外の活動をしやすい環境が整ってきています。正社員という安定した基盤を残しながら、休日を利用してやりたい仕事を副業で行うということも、可能なのです。
 

まとめ

興味のない仕事の正社員と、やりたい仕事の派遣社員、どちらを選んでも間違いではありません。大切なのは、仕事とどう向き合うかです。とはいえ、迷ってどうしても決められないときは、まずは安定性の高い正社員を選ぶといいでしょう。
 
仕事の選択は、人生を左右することもある大きな事柄です。世の中の流れや意見はもちろんですが、自分の人生です。自分のほんとうの気持ちも考慮して決めるようにしてください。
 

出典

厚生労働省 e-Stat 令和4年賃金構造基本統計調査

 
執筆者:柘植輝
行政書士

ライターさん募集