更新日: 2023.11.30 ライフプラン

独身でようやく年収が「500万円」に到達しました。結婚して子ども2人を希望しているのですが厳しいでしょうか? 700万円は必要ですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

独身でようやく年収が「500万円」に到達しました。結婚して子ども2人を希望しているのですが厳しいでしょうか? 700万円は必要ですか?
男性が「結婚しない理由」として上位に挙げられる「結婚後の生活資金が足りない」問題。結婚願望がある男性にとっては大きな悩みのようです。
 
結婚するため年収を上げるよう頑張って働いていても、いくら稼げば結婚していいのか、気になってしまうのではないでしょうか。本記事では、子ども2人がいる家庭の生活費について、年収500万円と年収700万円の場合を比較しながら、それぞれ試算します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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年収500万円で子ども2人を育てるのは厳しい?

結婚後には月いくらの生活費が必要なのでしょうか? 2023年8月の総務省統計局の家計調査(家計収支編)「妻の就業状態、世帯類型別」という統計 で、共働き・片働き、子どもあり・なし、それぞれの収支が分かります。
 
共働きで、夫婦と未婚の子ども2人の4人世帯の場合、支出は月41万9090円です。年にして約502万円なので、一見、年収500万円あれば暮らせるかのように見えます。
 
しかしこの金額には住宅ローンの返済(土地家屋借金返済)が含まれていません。つまり年収が500万円だと、生活費だけで終わってしまい、住宅ローンが払えない計算になってしまいます。
 
年収500万円になったばかりの男性なら、この結果を見て結婚に尻込みしてしまうかもしれません。では続いて、子ども1人の場合を見てみましょう。
 

子どもが1人なら育てられる?

年収500万円で子ども2人を育てるのが厳しいなら、子ども1人にすればいいのかと思いがちですが、そんなことはありません。同上の統計では、子ども1人の家庭の支出は49万975円となっています。なんと、子ども2人の家庭より約8万円も高くなっているのです。
 
子ども1人の家庭では2人の場合より、住居(住宅ローン以外)、家具・家事用品、保険医療、交通・通信(なかでも自動車関連費)、教育などの費用が高くなっています。
 
一方、4人世帯に比べ持ち家率が低く、住宅ローンの返済額(土地家屋借金返済)は低めです。単純に子どもの数を減らせば支出が減る、というわけではないことが分かります。
 

共働き・世帯年収700万円の家計

年収500万円で生活が厳しいなら、年収700万円ではどんな生活になるでしょうか。
 
年収が700万円あれば、月当たりの収入は58万3333円になります。住宅ローンの返済額は、総務省統計局の家計調査(家計収支編)によると、住宅ローン返済世帯では平均9万1601円、共働き子ども2人の勤労世帯では平均5万6224円です。今回は住宅ローン返済世帯の数値で試算します。


【試算】

・月収 58万3333円
・住宅ローン返済 9万1601円
・支出 41万9090円
・貯蓄 7万2642円

年収700万円なら、住宅ローン返済も貯蓄も叶う、余裕ある生活といえるのではないでしょうか。これは世帯年収ですから、夫婦の配分は夫500万円・妻200万円でも、夫300万円・妻400万円でもいい、と考えれば、結婚へのハードルが下がります。
 

共働きでい続けられるとは限らない

共働きで生活を支える場合、「どちらかが働けなくなる状況」を想定しておくことも必要です。女性の妊娠出産や、男女問わず疾病・介護などの休業がそれにあたります。
 
一時的に夫婦どちらかが働けなくなったとしても、持ちこたえられるだけの年収あるいは貯蓄が必要です。
 

結婚前にできるだけ貯蓄しよう

結婚して子ども2人を育てることを想定して年収500万円と700万円について見た結果は、以下の通りです。


・世帯年収500万円だと生活はギリギリになる
・世帯月収700万円なら住宅ローン返済の心配はないが、収入の20~30%とされる理想の貯蓄率には及ばない
・子どもの人数を減らしても支出額が減るわけではない

現在は独身で子どもがいない状態なら、結婚前にできるだけ貯蓄をしておくのがいいでしょう。子ども2人育てることを夢見れば、昇進にも意欲的になれるのではないでしょうか。
 

出典

総務省統計局 家計調査(家計収支編)2023年 二人以上の世帯 妻の就業状態,世帯類型別
総務省統計局 家計調査(家計収支編)2022年(住宅ローン返済世帯)世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出
総務省統計局 労働力調査 令和4年
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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