更新日: 2024.10.10 家計の見直し
東京は冬に「灯油」を買わないって本当ですか? 実家ではヒーターのために必須なのですが、光熱費にどれだけ差が出るのでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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東京では石油ファンヒーターは使われていない?
雪国と異なり、東京の家庭では石油ファンヒーターは使われていないのでしょうか。その実態を知るために、灯油に関する統計を見てみましょう。
総務省の「家計調査(2022年)」によると、東京都区部における1世帯あたりの灯油代は月2377円でした。この結果から、東京の家庭でも石油ファンヒーターが使われていることが分かります。とはいえ、最も灯油への支出が多い青森市の9万2855円と比べると、2.6%程度の支出に過ぎません。
エアコンと石油ファンヒーターの光熱費
次に、大手メーカーのエアコン(6~7畳タイプ)と石油ファンヒーター(7~9畳タイプ)を、それぞれ8時間使用した場合の光熱費を計算してみましょう。
なお、電気代は「1時間あたりの消費電力(kWh)×使用時間×料金単価(円/kWh)」という算式で計算できます。また、灯油代の算式は「1Lあたりの灯油価格✕1時間あたりの燃料消費量(L/h)✕使用時間」です。
・エアコンの光熱費は8時間使用した場合約310円
当該エアコンの1時間あたりの消費電力を最大である1250Wで計算すると、8時間あたりの消費電力は10kWh(10000Wh)になります。1kwhあたりの目安単価は31円(全国家庭電気製品公正取引協議会)です。部屋が暖まってくると消費電力が抑えられ、電気代も低くなると考えられますが、当該エアコンを8時間使用した場合の光熱費は310円になります。
・石油ファンヒーターの光熱費は8時間使用した場合約245円
当該石油ファンヒーターの1時間あたりの消費電力は82Wのため、8時間あたりの消費電力は0.656kWh(656Wh)です。そのため、電気代は20.336円になります。次に灯油代を計算しましょう。資源エネルギー庁によると、2023年11月の灯油18Lの店頭価格(全国平均)は2061円のため、1Lでは約114.5円ということになります。
当該石油ファンヒーターの燃料消費量(最大)は0.243L/hで、8時間使用した場合の灯油代は222.588円です。この金額を電気代と合わせると、当該石油ファンヒーターを8時間使用した場合の光熱費は244.924円ということになります。
それぞれのメリット・デメリットと簡単な節約方法
エアコンと石油ファンヒーターには、それぞれメリット・デメリットがあります。また、少しでも光熱費を減らすために、以下のような節約方法を知っておきましょう。
・それぞれのメリット・デメリット
エアコンは部屋全体を暖められ、給油の手間もかかりません。ただし、部屋が乾燥しがちになり、室外機の設置も必要です。石油ファンヒーターは速暖性が高く瞬時に暖かい風が放出され、同時に水蒸気が発生するため部屋の乾燥を軽減できます。一方、給油の手間がかかり、点火と消火時には独特の臭いが発生します。
・簡単な節約方法
エアコンも石油ファンヒーターも、設定温度を無理しない程度に低くしたり、エコモードを利用したりしましょう。また、装着されているフィルターにほこりが詰まっていると、エネルギーをより多く消費します。そのため、フィルターはこまめに掃除することが大切です。
光熱費を考えるなら石油ファンヒーターを検討しよう
支出金額は少ないですが、東京でも灯油を買っている人はいます。とはいえ、最も多い青森市と比べると2.6%程度と、わずかな支出でしかありません。そのため、エアコンが主流で、石油ファンヒーターを使っている家庭は少数派といえるでしょう。
なお、8時間使用した場合の光熱費は、石油ファンヒーターが90円程度安くなります。1ヶ月にすると2700円もの差になるため、東京でも石油ファンヒーターを検討してみてもいいかもしれません。
出典
総務省統計局 家計調査 2022年
資源エネルギー庁 石油製品価格調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー