労働時間外に定期的に参加させられる「勉強会」。残業代として会社に請求することはできますか?
配信日: 2024.01.22 更新日: 2024.10.10
本記事では「労働時間」の定義とともに、労働時間外に行われる勉強会に参加した場合は残業代を請求できるのか、残業代を請求できないのはどのようなケースなのかをご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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厚生労働省が考える「労働時間」とは?
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると「労働者が会社の指揮命令下にいる時間」を「労働時間」と定義するようです。就業規則などで決められている時間ではなく、客観的に見て会社の指示で動いていると判断できる時間が該当するのです。
例えば、就業規則で始業時間が朝9時とされていても、8時半に出勤して掃除や仕事の準備をすることが義務付けられている場合は、始業前の30分も「労働時間」ということになるのです。
また、お昼休憩中に「電話が鳴ったら対応するように」と指示を受けた場合、完全に労働から離れられているとはいえないため「労働時間」になります。その時間も賃金が発生することになると考えられるでしょう。
勉強会が「労働時間」に該当するケースとは?
勉強会が「労働時間」に含まれるかどうかは、参加が強制されたものであるかどうかで決まります。
必ず参加するよう指示されていなくても、後日勉強会のレポートを提出するように言われている場合や、勉強会に参加しないことで業務を行うことができなくなる場合などは、実質「強制参加である」といえるでしょう。その場合は、勉強会に参加している時間が「労働時間」に該当し、残業代が発生する可能性があります。
※出典:厚生労働省「労働時間の考え方:『研修・教育訓練』等の取扱い」
勉強会に参加しても残業代を請求できないケースとは?
参加を強制された勉強会でなく、自分の意思で参加した場合は「労働時間」に含まれない可能性が高いでしょう。
「参加は自由」とされており、参加しないことで不利益な扱いを受けることがなければ、残業代は請求できないと判断できます。例えば、労働者が自分で申し出て会社の指示命令を受けることなく訓練を実施する場合や、外国人講師を呼んで業務とは関連性のない英会話講習を開催する場合などが該当します。
強制参加の勉強会は残業代を請求できる可能性が高い
厚生労働省の考えによると「使用者の指揮命令下にある時間」が「労働時間」ということです。
終業後や休日などに勉強会が開催される場合、参加が強制されたものであると考えられるときは「労働時間」に該当するため、残業代が発生する可能性があります。たとえ「自主的な研修・学習」と会社から言われている場合であっても、実際には使用者の指示によるものであれば業務に従事していたことになるといえるでしょう。
ただし、自主参加とされており参加しなくても不利益な扱いを受けることがない場合などは「労働時間」に含まれないため、残業代は請求できないと考えられます。
出典
厚生労働省
労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
労働時間の考え方:「研修・教育訓練」等の取扱い
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー