更新日: 2024.03.28 貯金

【おひとりさまは貯蓄額が多い?】「独身貴族」という言葉をよく聞きますが、独身の方が「貯蓄」しやすいのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【おひとりさまは貯蓄額が多い?】「独身貴族」という言葉をよく聞きますが、独身の方が「貯蓄」しやすいのでしょうか?
結婚をせずに独身生活を謳歌している人を「独身貴族」と呼ぶことがあります。既婚者や子持ちの人に比べて、自由に使えるお金が多いイメージがあることから、独身貴族は貯蓄額が多いのではと考える方もいらっしゃるでしょう。
 
そこで今回は、単身世帯の貯蓄額について調べてみました。独身貴族でもやがては老後生活が訪れますから、将来へ備えるための参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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単身世帯の貯蓄額はどれくらい? 二人以上の世帯と比較

金融広報中央委員会「知るぽると」の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から、単身世帯と二人以上世帯の貯蓄額をまとめると表1の通りです。
 
表1

    

年齢 単身世帯 二人以上世帯
平均値 中央値 平均値 中央値
20代 121万円 9万円 249万円 30万円
30代 594万円 100万円 601万円 150万円
40代 559万円 47万円 889万円 220万円
50代 1391万円 80万円 1147万円 300万円
60代 1468万円 210万円 2026万円 700万円
70代 1529万円 500万円 1757万円 700万円
全世代 941万円 100万円 1307万円 330万円

※金融広報中央委員会 知るぽると 「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」を基に筆者作成
 
独身者は自由に使えるお金が多いイメージがありますが、貯蓄額の平均値および中央値を比較したところ、いずれも単身世帯より二人以上世帯の方が多い結果になりました。
 
このデータから「独身であれば貯蓄額が多い」とは一概にいえないことが分かります。
 

単身世帯の貯蓄額が思ったより少ないのはなぜ?

当然のことながら、単身世帯の全員が自由に使えるお金のある独身貴族ではありません。
 
株式会社モデル百貨がおこなった独身者1000人を対象にした調査によると、お金に余裕がないと感じている人は56.9%もいることが分かりました。
 
生活費・ローン返済などの支払いを除いた、自由に使えるお金は月平均3万9812円でした。お金の使い道の上位は以下の通りです。


第1位:食費
第2位:趣味・娯楽
第3位:貯蓄

おいしいものを食べたり趣味・娯楽を満喫したりするのは、独身ならではの楽しみ方といえるかもしれません。しかし今ほしいものやしたいことを優先する生活を送っていると、資金を貯蓄に回す余裕はなくなるでしょう。
 

独身貴族にもやがて訪れる老後生活! 将来に備えて貯蓄をすることも大切

独身生活を満喫するのもいいですが、やがて訪れる老後生活への備えも大切です。単身世帯は、二人以上世帯よりも多くの老後資金を用意しておく必要があるといわれています。
 
定年退職後は、現役の頃よりも収入が大きく減少するケースが一般的です。公的年金や退職金だけでやりくりしようとすると、収入が不足することもあるでしょう。自由に好きなものを購入する生活に慣れていると、月々の支出が大きくなり、赤字になることも考えられます。
 
独身者の場合は、老後に身の回りの世話を頼める配偶者や子どもがいないことも考慮しなくてはなりません。身内のサポートが受けられず、介護などに関して有料のサービスを利用する際には、生活コストが高くなるため、その分貯蓄を殖やしておく必要があります。
 

独身のほうが貯蓄額が多いわけではない! やがて訪れる老後生活にも備えましょう

自由に使えるお金があって貯蓄額も多そうなイメージがある独身貴族ですが、すべての独身者がお金に余裕があるわけではないことが分かりました。単身世帯と二人以上世帯の貯蓄額を比較しても、単身世帯のほうが平均値および中央値において少ない結果になりました。
 
お金に余裕があったとしても、独身者は趣味や娯楽などに費やしてしまう傾向があるのかもしれません。独身生活を楽しむのもいいですが、老後生活にも備えて、貯蓄を殖やす計画を立てることも大切です。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査
[二人以上世帯調査]令和5年調査結果
[単身世帯調査]令和5年調査結果
株式会社モデル百貨 Money Geek(マネーギーク) 【独身者1,000人に聞いた】おひとりさまのお金事情!独身貴族は本当にいる?お金の使い方や老後の備えなど本音で調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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