更新日: 2024.10.10 働き方
同じ業務を行う他の派遣会社の人と比べて私の時給が50円も安いことを知ってショックを受けています。なぜ金額に差があるのでしょうか?
しかし、派遣元が異なる場合は、同じ仕事をしていても時給も同じとはかぎりません。本記事では、派遣同士でもどうして待遇に違いが起こるのか、派遣の時給の仕組みについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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同じ仕事でも時給が違う理由
同じ派遣先で同じ仕事をしても時給が違う理由は、所属する派遣会社にあります。ではなぜ、派遣会社によって時給が違うのでしょうか。
派遣会社の規模
派遣社員の時給は、登録する派遣会社によって時給が決まります。派遣会社の規模が大きいほど営業力があり多くの案件を獲得できるため、小さな派遣会社に比べて高い時給を設定しやすくなります。
派遣会社のその業界での立ち位置
大きな派遣会社であっても、高い時給が期待できない場合もあります。例えば、IT業界に強い派遣会社が新たに医療業界に進出した場合、医療業界ではまだ実績がありません。
このような場合には、派遣会社の規模が大きくても時給が低く抑えられる可能性があります。
派遣会社のマージンの割合
派遣社員の時給は、派遣会社が決めた賃金の割合によって変わります。通常、派遣会社が取るマージンは3割で、残りの7割が派遣社員の時給になるといわれています。ただし、派遣会社によって割合が違うので、派遣先で同じ仕事をしている派遣社員の間で時給に差は出てしまいます。
派遣先との信頼関係の差
派遣会社と派遣先との取引の長さによって、時給が変わることもあります。長年の取引で信頼関係ができていると時給の交渉もしやすくなりますが、取引が短いと交渉しにくかったり交渉しても拒否されたりする可能性が高いです。
無理に交渉しようとすれば、契約を打ち切られる恐れもあるので取引の短い派遣会社は強く出られない傾向にあります。
派遣会社により時給が違う場合は交渉が可能
時給が低い場合は、派遣会社に交渉して時給を上げてもらうことも可能です。ただし、ただ単に「時給を上げてほしい」と伝えるだけでは、すんなりと受け入れてもらえないでしょう。
時給アップの交渉をするには、昇給に見合う裏付けも必要です。派遣先での自身の立ち位置や担当している業務内容などを説明したうえで、時給が低いことを理解してもらえれば時給アップの可能性が高まります。
同じ仕事をしているのに、他の派遣会社の人と時給が違うことに納得がいかなければ、遠慮せずに時給アップの交渉をしましょう。
時給アップ交渉のポイント
時給アップ交渉を成功させるには、いくつかのポイントがあります。ただやみくもに時給アップの交渉をしてもうまくいかないので、以下のポイントを参考にしてください。
契約更新時に交渉する
時給アップの交渉は、契約更新時に行いましょう。派遣社員の時給は契約時に決められるため、契約途中で変更しようとすると手間がかかり、却下される可能性が高いです。
派遣社員の時給は派遣先との交渉で決まるので、派遣先の契約更新時が狙い目です。
キャリアアップしたタイミングで交渉する
派遣社員としてキャリアを積み、派遣先から評価されるようになると時給アップの交渉がしやすくなります。また、業務に関連した資格を取得したタイミングで交渉すると時給アップにつながるでしょう。
派遣先の評価も上がらず資格を取得したわけでもないのに、時給アップを要求しても受け入れてもらえる可能性は低くなります。
派遣会社によって時給が違う場合は交渉して時給アップを目指そう
同じ派遣先で同じ仕事をしても時給に差が出るのは、派遣会社の規模が理由です。他の派遣社員に比べて時給が低ければ、派遣会社に時給アップの交渉をすることができます。交渉をうまく行うにはキャリアを積み、契約更新のタイミングで交渉すると成功率が高くなります。
交渉しても時給が上がらなければ、他の派遣会社に登録することも検討しましょう。現在所属している派遣会社より、規模の大きな会社であれば、営業力があるので希望する時給で仕事ができる可能性が高まります。
もやもやした気持ちを抱えたままでは、ストレスがたまりよい仕事ができません。時給アップの交渉を成功させれば、モチベーションを高く持って仕事に取り組めるでしょう。
出典
一般社団法人日本人材派遣協会 人材派遣を知る データ 派遣料金の構造
厚生労働省 マージン率等の情報提供について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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