”固定残業代”が支給されていても「定時」で帰っていい?固定残業代制について解説!

配信日: 2024.06.08 更新日: 2024.10.10

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”固定残業代”が支給されていても「定時」で帰っていい?固定残業代制について解説!
残業をしてもしなくても一律で残業代が支給される「固定残業代制」。部署や人によっては、残業時間にかかわらず同じ給料が支払われるため、制度について疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
 
そこで今回は、固定残業代が支給されている場合、定時で帰っても問題ないのかなど、制度の概要について調べてみました。
FINANCIAL FIELD編集部

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固定残業代制とは?

厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークの説明によると、固定残業代について、「その名称にかかわらず、一定時間分の時間外労働、休日労働および深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金」と記されています。
 
固定残業代制を採用する企業は、求人票などに次の内容を明示する必要があります。

●固定残業代を除いた基本給の額
●固定残業代に関する労働時間数と金額などの計算方法
●固定残業時間を超える時間外労働や休日・深夜労働に対して割増賃金を追加で払うこと

例えば、基本給に加えて固定残業代が「40時間・6万円」や「20時間・4万円」のような形で設定されます。
 
固定残業代が支給されることで「定時で帰ってはいけないのでは?」「無制限に残業をさせられるのでは?」と考える人もいるようです。以下でこれらの質問に回答します。
 

残業は強制? 定時で帰っても問題ない?

固定残業代制は、絶対に残業をしなければならいという制度ではありません。この制度には、閑散期と繁忙期のある業務でも、一定の固定残業代を与えることで、労働者の給料を安定させられるメリットがあります。また効率よく仕事をすることで、固定残業代制を採用しない場合よりも多くの残業代が受け取れます。
 
しかし業務上必要ない残業など、不当な残業を強要できる制度ではありません。業務が終了して残業の必要がなければ、定時で退社しても問題なく、固定残業代制度で設定された残業に満たないからといって、減給されたり翌月に繰り越されたりすることもありません。
 

固定残業の時間を超過した場合はどうなる?

固定残業代が支給されるからといって、無制限に残業をさせることはありません。固定残業の時間を超過した場合は、超過した時間分の残業代が発生します。超過分の残業代は、固定残業代と同じく25%以上の割増賃金が支払われます。
 
時間外労働は、基本的に1ヶ月45時間・1年360時間を限度としていて、これを超えた分については25%を超える率とするよう努めることが求められているようです。また時間外労働が1ヶ月60時間を超えると、割増率は50%以上です。休日は35%、深夜は25%の割増賃金も適用されます。
 

残業する人としない人がいて不平等だと感じる場合は?

会社や部署によっては、残業する人としない人がいて、不平等だと感じられるケースも考えられます。例えば、自分は固定残業代ぎりぎりの残業をしているのに、先輩は「後はよろしく」といって毎日のように定時退社する場合です。
 
固定残業の基準時間が大きければ、残業をする人としない人の差は浮き彫りになるでしょう。残業をたくさんしている人は、モチベーションが下がってしまうかもしれません。
 
不平等であると感じられる場合は、上司や社内の相談機関などを通して、声を上げられるでしょう。仕事の割り振りや業務の進め方などを見直すきっかけになり、残業が一部の人や部署に偏らないように改善されるかもしれません。
 

固定残業代制は定時で帰っても問題なし!

固定残業代とは「その名称にかかわらず、一定時間分の時間外労働、休日労働および深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金」のことです。不必要な残業を強制するものではなく、残業が必要ない場合は定時で退社しても問題ありません。
 
しかし会社や部署によっては残業する人としない人がいて、給料の額は同じであることから不平等に感じられるケースも考えられます。不平等であると感じられる場合は、仕事の割り振りや業務の進め方などを改善してもらえるよう、上司や社内の相談機関に相談してみるといいでしょう。
 

出典

厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク 固定残業代を賃金に含める場合は適切な表示をお願いします
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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