更新日: 2024.10.10 家計の見直し

政府の補助金終了で電気代やガス代がアップ!? どのくらい負担が増えるか、事前にチェック!

政府の補助金終了で電気代やガス代がアップ!? どのくらい負担が増えるか、事前にチェック!
電気代やガス代について、2024年5月の使用分から、政府の補助金が減額されたことをご存じでしょうか。
 
さらに2024年6月の使用分からは、補助金が支給されなくなり、家計負担が大幅に増える予定です。本記事で、どのくらい費用負担が増えるのか、事前に確認しておきましょう。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

政府の補助金制度

政府は2023年1月から、電気代とガス代の家計負担を減らすために、補助金を出す政策を行っていました。これは、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」と呼ばれています。
 
具体的に、補助金の金額を確認していきましょう。電気代は1キロワットアワー当たり、家庭向け(低圧)には3.5円、企業向け(高圧)には1.8円が補助されていました。また都市ガスについては、家庭や年間契約量1000万立方メートル未満の企業等を対象に、1立方メートル当たり15円の補助がされていました。
 
この補助金の政策は、2024年5月の使用分については減額されました。5月は、電気代の補助金は1キロワットアワー当たり、家庭向けには1.8円、企業向けには0.9円と、4月までと比べて半額でした。また都市ガスに対する補助金の額は、2024年5月は1立方メートル当たり7.5円でした。
 
そして2024年6月の使用分からは、電気・ガス共に補助がなくなり、全額自己負担となりました。
 

新たに電気代の負担額がアップ

そして、気になるのは「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の引き上げです。
 
これは太陽光発電など、再生可能エネルギー普及のため、国民が負担しなければならないお金であり、2024年5月分から2025年4月分までは2024年4月に比べて値上げがされています。具体的には、1キロワットアワー当たり前年度比で2.09円増の3.49円です。
 
政府の補助金終了と、新たに再生可能エネルギー発電促進賦課金が引き上げられたことにより、2024年は家計における電気代やガス代の負担が大幅に増えると考えられています。
 

わが家の負担はどのくらい増える?

では、補助金政策の終了等によって、自分たちの家計にどのくらいの影響があるのか、詳しく見ていきましょう。
 
毎月の電気の使用量が400キロワット、ガスが30立方メートルの、標準的な家庭を考えます。この家庭の場合、2024年6月の使用分からは補助金政策の終了により、同年4月までの分と比べると電気代は1400円、ガス代は450円増えます。
 
さらに、再生可能エネルギー発電促進賦課金の引き上げで、月の電気代は同年4月分と比べて836円値上げされています。補助金終了と賦課金の引き上げにより、この家庭の場合は、同年4月までと比べて毎月の電気代やガス代は合計2686円上がることになります。
 
さらに、今までどのくらいの補助金が出ていたのか、具体的な金額が気になる方は、政府が開設している「電気・ガス価格激変緩和対策事業」のページをチェックしてみましょう。月々の値引き額(補助金の額)を家庭での使用分から計算することが可能です。
 

まとめ

2024年5月や6月は、電気代やガス代の家計負担が増えて、請求書を見て驚いた方もいるかもしれません。今回紹介した内容を確認し、電気・ガス代への補助金が終了すること、賦課金が昨年と比べて増加することなどのニュースを、頭に入れておきましょう。
 
そして、電気代やガス代をさらに節約できるように、無駄遣いを減らす、電気会社やガス会社、さらに契約プランの見直しをするなど、今からできることはないか、検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

経済産業省資源エネルギー庁 電気・ガス価格激変緩和対策事業
東京電力エナジーパートナーズ株式会社 再生可能エネルギー発電促進賦課金単価
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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