更新日: 2024.10.10 働き方

40歳でパート勤務。有休を申請したら「繁忙期に休まれると困る」と言われました。別の日に休むべきでしょうか? そもそも「パート」でも有休は取得できるの?

40歳でパート勤務。有休を申請したら「繁忙期に休まれると困る」と言われました。別の日に休むべきでしょうか? そもそも「パート」でも有休は取得できるの?
有給休暇を取得しようとしたら「繁忙期だから休まれたら困る!」と、上司にいわれた経験のある人も多いのではないでしょうか。会社から有給休暇を使わないでほしいといわれた場合、従ったほうがいいのか拒否したらいいのか迷う人もいるでしょう。
 
本記事では、有給休暇の制度について詳しく解説していきますので、有給休暇の取得についての悩み解決の参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

そもそもパートタイム労働者でも有給休暇を取得できるのか

まず、そもそもパートタイム労働者でも有給休暇を取得できるのかどうかについて解説します。
 
パートタイム労働者は「有給休暇の対象となる人」と「対象とならない人」に分かれます。そのため、自分が有給休暇の対象となるのかを確認しましょう。次の2つの要件を満たせば、有給休暇の対象となります。
 

・雇用された日から6ヶ月経過していること
・雇用契約書などで定められている所定労働日のうち8割以上出勤していること

 
例えば、雇用されてから7ヶ月以上たったとしても、雇用契約書に定められている期間の7割の勤務しかしていない場合は有給休暇を取得できません。そのため、所定労働日の条件を満たしているか確認する場合は、雇用契約書を見るか、会社に確認する必要があります。
 
条件を満たした場合、取得できる有給休暇の日数は図表1のようになります。
 
図表1

週所定労働日数 1年間の所定労働日数 継続勤務年数
0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与日数 4日 169日~
216日
7 8 9 10 12 13 15
3日 121日~
168日
5 6 6 8 9 10 11
2日 73日~
120日
3 4 4 5 6 6 7
1日 48日~
72日
1 2 2 2 3 3 3

厚生労働省 年次有給休暇の付与日数は法律で決まっていますを基に作成
 
勤続年数や働いた日数によって有給休暇が取得できる日数が変わります。取得した日数以上の有給休暇を申請しても通りません。
 

会社には時季変更権がある

有給休暇の取得は労働者の権利であるため、会社は基本的には申請通りに有給で休みを取らせなければなりません。
 
しかし、「基本的に」としたとおり、例外も存在します。その例外が「時季変更権」です。時季変更権とは、労働者から申請のあった有給休暇の取得を、使用者が別の時季に変更できる権利のことをいいます。
 
つまり、会社は労働者から申請のあった有給休暇の取得時季を、会社の都合のいい日に変更できるということです。ただし、会社が時季変更権を使えるのは「事業の正常な運営を妨げる場合」のみに認められます。
 
事業の正常な運営を妨げるという条件を満たすためには、従業員が不足して事業が正常におこなえなくなる、同じ時季に有給休暇の取得をする人が重なってしまったなどの理由が必要です。ただ単純に「繁忙期だから有給休暇の取得できない」という理由では、時季変更権を使えないということになります。
 

会社が有給休暇の取得を認めない場合

有給休暇の取得の条件を満たしているにも関わらず会社が休ませてくれない、時季変更権を使えないような状態で休みを変更してくるなどといった場合には、次のような機関に相談してみましょう。
 

・労働基準監督署(労働時間相談・支援コーナー)
・都道府県労働局
・働き方改革推進支援センター
・産業保健総合支援センター
・よろず支援拠点
など

 
有給休暇が取得できるかどうかは、有給休暇の取得日数や時季変更権が使えるのかなど労働者では判断しにくい部分があります。もし自己判断で会社と話すのに不安を感じるのであれば、専門の機関に相談するといいでしょう。
 

まとめ

有給休暇は条件を満たせば、パートタイム労働者でも取得が可能です。
 
取得するには条件があり、取得できる日数は勤務年数や勤務した時間によって異なります。また、有給休暇は労働者の権利であり、基本的に会社は取得を拒否できません。ただし、会社には時季変更権が認められており、一定の条件を満たす場合には有給休暇の取得日を変更しなければならなくなるケースもあります。
 
有給休暇の取得は基準が明確であるものの、時季変更権については会社の状況に左右されるため使用できるかの判断が労働者にはつきにくいものです。もし自己判断できないようであれば、専門の機関に相談してから会社と話し合いするほうがいいかもしれません。
 

出典

厚生労働省 年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。
厚生労働省 年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています
厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集