更新日: 2024.10.10 家計の見直し
「冷房」VS「除湿」電気代は結局どちらがお得?使い分けのコツとは?
エアコンには冷房・除湿の機能があり、それぞれでかかる電気代は違ってきます。そうなると、冷房と除湿どちらの方が電気代がお得になるのかは気になるところです。
そこで今回は、エアコンの冷房機能と除湿機能の違いについて解説します。また、どちらが電気代がお得になるのかについても調べてみましたので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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エアコンの冷房・除湿機能の違いとは
エアコンの冷房機能と除湿機能は、それぞれ目的が異なります。使用する目的に応じて使い分けることが重要です。冷房機能と除湿機能の特徴や違いを見てみましょう。
冷房機能の特徴と目的
外気温の高さで室温が上がった際に、冷風によって室温を下げることが冷房機能の特徴です。
室温が高くなり、暑さを感じるようになると、室内での活動に不快さを感じます。室温を下げ、室内での活動をスムーズにさせることが冷房機能の目的です。
除湿機能の特徴と目的
室内の湿度を取り除き、室内の空気を乾かすことが除湿機能の目的です。冷やした空気をそのまま噴出する「弱冷房除湿」、冷やした空気を暖め直し噴出する「再熱除湿」、冷やした空気を部屋の空気と混ぜて室温に近づけた状態で送風する「ハイブリッド除湿」と3種類あることが特徴です。
室温をあまり下げずに、湿度を取り除きたい場合は除湿機能を使用しましょう。
除湿機能には3つのタイプがある
前述の通り、除湿機能には3つのタイプがあり、エアコンの機種によってどのタイプが使用されているかは異なります。それぞれの違いは以下の通りです。
弱冷房除湿
一般的に広く使われているタイプが、弱冷房除湿機能です。空気を取り込み、温度をいったん下げ、水分を排出した後に部屋に戻します。機種によってはドライと表示され、一般的に広く使われています。
名前の通り、弱めの冷房運転をするため、あまり暑くない日に使用すると部屋が必要以上に冷えるリスクがあるため注意が必要です。弱冷房除湿は、冷房機能よりも必要とする電力量が少なく済むため、電気代をおさえられる可能性があります。
再熱除湿
再熱除湿機能は、湿度を下げるために冷やした空気を再び暖めて部屋に戻します。冷やした空気を暖め、室温と変わらない状態に戻し排出するため室温が下がらない点が特徴です。
ただし、取り込んだ空気を冷やして湿度を取り除き、再度暖めた後に排出する2段階の工程を踏むため、3種類の除湿機能のなかでもっとも電力を消費します。再熱除湿は冷房機能よりも電力を消費する場合が多く、電気代が高くなりやすいとされています。
ハイブリッド除湿
室内の空気を取り込み、冷やして湿度を取り除いた後、部屋の空気と混ぜ合わせ室温に近い状態に戻して排出するのがハイブリッド除湿機能です。
再熱除湿のように空気を暖めるわけではないので、再熱除湿ほど電力量を必要としません。弱冷房除湿と再熱除湿の特徴を掛け合わせた働きをする点が、ハイブリッド除湿の特徴です。
冷房と除湿の電気代を比較してみた
冷房機能と除湿機能を使い分ける際の判断基準として、コスパは重要な要素です。しかし電気代は、使用環境や設定温度、設定湿度などによって変わるため、どちらがコスパがよいかは一概にはいえません。
環境で変化はしますが、基本的な消費電力の大きさと、かかる電気代を順位づけると以下の順番で考えられます。
再熱除湿>冷房>ハイブリッド除湿>弱冷房除湿
2022年モデルのあるエアコンは、ドライモードの消費電力が600ワット、冷房の消費電力が800ワットとなっています。このエアコンを3時間稼働させた場合を想定し、電気代を計算してみましょう。なお、1キロワットアワーあたりの電力料金単価は31円とします。
・ドライ(600ワット):約56円
・冷房(800ワット):約74円
ベースとなる消費電力が異なるため、3時間稼働させると約18円差が生じます。ただし、製品やドライの種類、使用する環境によって消費電力と電気代は異なる点に注意してください。
エアコンの電気代が気になる方は、メーカーやドライの種類などから消費電力を確認し電気代の目安を立てるとよいでしょう。
除湿の方が1時間あたり6円ほど電気代が安くなる可能性がある|使い分けが大事
今回の試算によれば、冷房と除湿を比べると、1時間あたり約6円と電気代に差があります。
ただし、室温・外気温・ドライの種類などさまざまな要因で電気代は変動するため、それぞれを使い分けることでより電気代をお得にできる可能性があります。ご自分の部屋の状況に合わせて、冷房と除湿を使い分けましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー