更新日: 2024.10.10 貯金

タンス預金は「悪」なの? 現金が管理しやすく便利なのですが…。

タンス預金は「悪」なの? 現金が管理しやすく便利なのですが…。
現金を保有する方法の一つにタンス預金があります。タンス預金は最も手軽な方法なので、行っている方も多いのではないでしょうか。しかし、タンス預金はメリットもある一方、問題になるケースもあります。今回の記事ではタンス預金について詳しく解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

タンス預金の金額

日本銀行の資金循環統計によると、タンス預金の金額はおよそ30兆~80兆円と推計されています。しかし、現在タンス預金をする人の割合が減少しています。その理由として考えられるのは、令和6年7月3日から発行されている新紙幣の影響です。
 
「タンス預金をするなら新紙幣で保有しておきたい」と考える人が多く、現在保有している紙幣は銀行の預け入れなど別の形で取っておく可能性があります。2004年に新紙幣が発行されたときも、タンス預金の割合は減少しています。過去と同様に今回も新紙幣の発行に伴って、タンス預金をする人が減っているのです。
 

タンス預金のメリット

タンス預金は誰でも簡単にできる現金保有の方法ということもあり、いくつかのメリットがあります。以下ではタンス預金はどんなメリットがあるのかについて解説していきます。
 

自由にお金が使える

タンス預金のメリットとしてまず挙げられるのは、いつでも好きな時にお金が使えるという点です。銀行に預けておくと、現金が必要な時にATMや銀行窓口に行かなくてはなりません。また、利用するATMや時間帯によっては手数料が発生してしまいます。
 
一方、タンス預金であれば足を運ぶ必要や手数料の心配はなく、いつでも好きな金額を取り出すことができます。まとまった金額が必要な時も銀行などでの手続きがないため、簡単に使用できます。
 

銀行が破綻した場合でも資産が残せる

銀行に1000万円以上預け入れをしている場合、銀行が破綻した時に1000万円を超える預金は保証されない可能性があります。銀行に多く預け入れをしていればしているほど、破綻したときのリスクは大きいといえるでしょう。
 
したがって、銀行に預け入れをする場合は1000万円未満にし、残りをタンス預金にすれば資産を守ることができます。
 
しかし、大きな金額を保有している場合は、盗難や災害など万が一の事態を想定し、タンス預金を不安に思う人もいるでしょう。その場合は、複数の銀行に1000万円未満を預け入れておき、ある程度の金額をタンス預金にしておけば安心です。
 

タンス預金の注意点

タンス預金は上記のメリットがある一方、デメリットもあります。以下で詳しく説明します。
 

盗難や災害から守れない

大金を家の中で保有しておくと、空き巣に入られた場合のリスクが高まります。場所さえ分かれば簡単に持ち出すことができるため、盗難に合う可能性も高くなります。
 
また、災害で家屋が倒壊してしまったときは、消失するかもしれません。火災保険や地震保険に入っていたとしても、現金は保証対象外となってしまいます。
 

遺産相続トラブルにつながる

タンス預金をしている場合、そこに現金があったことを証明する根拠がないことから遺産相続のトラブルになってしまうケースがあります。誰かがタンス預金を持ち出したとしても、「現金の存在はなかった」と言われてしまえば証拠がないため、取り戻すことは難しいでしょう。
 
また、相続手続きが終わった後に現金が見つかった場合、相続税の申告や遺産分割のし直しが必要となり、手間がかかってしまいます。
 

相続税対策にならない

相続税対策としてタンス預金をしている人もいるかもしれません。しかし、税務署に知られる可能性は想像以上に高いでしょう。申告していない分、後から高額な請求をされることが考えられます。相続対策でタンス預金を行っている場合はやめておいた方が無難でしょう。
 

タンス預金は上手く使い分けよう

タンス預金は状況や金額を把握して行うことが大切です。大金を自宅に保有しておくことは盗難や災害時に現金を失うリスクも大きいので、銀行の預け入れと併用することがおすすめです。
 

出典

日本銀行 資金循環統計
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集