更新日: 2024.10.10 働き方
仕事をクビになりましたが、再就職先が見つからず生活が苦しいです。すぐに「生活保護」を受けたほうがいいのでしょうか?
そこで本記事では、再就職先が見つからず生活が苦しい場合に、受けられる支援金制度を3つ紹介します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
求職者支援制度
再就職先が見つからず生活が苦しい場合に、検討したい制度の一つが「求職者支援制度」です。この制度は、再就職・転職・スキルアップを目指す方が、2~6ヶ月間、月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料で職業訓練を受講できる制度です。
受けられる職業訓練は、ITや営業・販売・事務といった一般的なものから、介護福祉、広告・DTPクリエーターなど、幅広いコースがあります。
なお、本制度で支援金を受け取るには、ハローワークに申し込みをしており、本人の収入が月8万円以下、かつ世帯全体の収入が月30万円以下であるなど、一定の要件を満たすことが必要です。
また、本制度は離職前に雇用保険に加入していなかった方でも受けられる場合があります。詳細については、最寄りのハローワークへ相談してみてください。
生活福祉資金貸付制度
各都道府県には、社会福祉の増進に努めている「社会福祉協議会」と呼ばれる機関があります。社会福祉協議会では、福祉の一環として「生活福祉資金貸付制度」という、お金の貸付制度を実施しています。
そのなかでも特に「総合支援資金」という種類の貸付制度は、失業中に利用可能な場合があり、かつ、苦しい現状を打開できる可能性のあるものです。これは主に「生活支援費」として原則3ヶ月間(最大12ヶ月間)、月20万円までの貸し付けを受けられるものです。
加えて「住居入居費」として最大40万円、「一時生活再建費」として60万円までの貸し付けも受けることができます。
総合支援資金のほかにも、社会福祉協議会では、さまざまな支援制度を用意しています。詳細については、最寄りの社会福祉協議会へ相談してみてください。
生活保護
上記の支援だけでは不足するなど、本当に行き詰まった状況であれば、生活保護を受けるというのも致し方ないでしょう。
生活保護は、困窮する方に対し必要な保護を行って、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的とした制度です。生活保護を受けることで、仕事をクビになり長期間再就職先が見つからない状態が続いたとしても、生活を維持し、立て直すことが可能です。
なお生活保護は、収入があったとしても、それが最低限度の生活の維持に必要な金額未満である場合は、その差額が支給されます。支給額は地域や家族構成により異なりますが、参考までに、3人世帯(33歳、29歳、4歳)で住所地が東京都区部等であれば、16万4860円の支給となります。
生活保護は、住所地を所管する福祉事務所が相談を受け付けています。詳細については、福祉事務所へ相談してください。
まとめ
仕事をクビになって再就職先が見つからない状態であっても、国などが運営している制度を頼ることで、支援金などを受け、生活を再建していくことができます。
生活が苦しいと、一人あるいは家族間で悩んでいても、解決が難しい場合があります。本当に生活で悩んでいるのであれば「自己責任」と思い込むのではなく、まずは諸制度について調べてみて、気になるものがあれば直接、制度の運営先へ問い合わせてみることをおすすめします。
出典
厚生労働省 求職者支援制度のご案内
内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン 生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。
厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 「生活保護制度」に関するQ&A
執筆者:柘植輝
行政書士