更新日: 2024.10.10 貯金
30歳の同期が「1000万円」貯めていることが判明しました。「ずっと実家暮らしだから」と言っていますが、実家暮らしはそんなに貯まるものなのでしょうか?
実家暮らしの場合、家にお金を入れることはあるにしても、家賃ほどの額を支払っていないのではないでしょうか。そのため、入社後数年や30歳の人でも「ずっと実家暮らしだから」ということから、1000万円近くの貯金が実現するケースも有り得るでしょう。
本記事では、30代の平均金融資産や一人暮らしをする場合にかかる費用などを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
30歳代の平均金融資産は327万円
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」によると、30代の平均金融資産保有額は327万円、中央値は70万円です。中央値とは数値を小さい順から大きい順、または大きい順から小さい順に並べた際に中央に位置する値を意味します。
なお、30代の金融資産保有額別の割合は図表1のとおりで、1000万円以上の金融資産を保有している人は10%にも満たない状況です。
【図表1】
金融資産保有額 | 割合 |
---|---|
金融資産非保有 | 31.1% |
100万円未満 | 19.9% |
100~200万円未満 | 9.4% |
200~300万円未満 | 5.9% |
300~400万円未満 | 4.1% |
400~500万円未満 | 4.6% |
500~700万円未満 | 6.4% |
700~1000万円未満 | 5.7% |
1000~1500万円未満 | 4.3% |
1500~2000万円未満 | 1.6% |
2000~3000万円未満 | 2.1% |
3000万円以上 | 1.1% |
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」より筆者作成
また、金融資産非保有者は31.1%、100万円未満の者が19.9%とのことで、30代で1000万円貯蓄がある人よりも、貯蓄なし、貯蓄があっても少額の傾向にあることが分かるでしょう。
20歳代は113万円
30代の平均金融資産保有額は327万円ですが、20代になると113万円、中央値8万円にまで下がります。金融資産非保有者は43.2%、100万円未満の人が28.3%です。20代でも20代前半と後半とでは状況が違うかもしれません。しかし、30代にかぎりなく近い20代後半のなかには金融資産非保有者が多い可能性が高いことを認識しておくとよいでしょう。
一人暮らしをする場合にかかる費用
一人暮らしは実家暮らしとは異なり、家賃や光熱費を毎月支払わなければなりません。実家暮らしであればこれらの費用をおさえたり、一人暮らしと比べて少額で済んだりしているケースもあるでしょう。
全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向」によると2024年6月現在、部屋数別の平均家賃は、1部屋5万2994円、2部屋5万9031円、3部屋6万6873円で、総平均賃料は5万6982円です。ただし、平均賃料は都道府県によって異なり、もっとも総平均賃料の高い東京都ともっとも安い山口県を比べると図表2のような金額差があります。
【図表2】
東京都 | 山口県 | |
---|---|---|
1部屋 | 7万5886円 | 3万7092円 |
2部屋 | 9万1168円 | 4万8934円 |
3部屋 | 9万9151円 | 5万7023円 |
総平均賃料 | 7万9347円 | 4万4582円 |
全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向」より作成
少しでも貯金を増やしたいのであれば、賃料の安い物件に引っ越すのも方法の一つです。初期費用は発生するものの賃料が8万円から6万円になれば、長期的に2万円の節約が期待できます。そこに光熱費や食費の負担をおさえられれば、さらに貯金に回せる金額を増やせるでしょう。
光熱費の全国平均額
総務省の「家計調査 家計収支編 単身世帯 2023年」によると、単身世帯の34歳以下の勤労者世帯の光熱費の平均額は9821円でした。そのうち、電気代が5056円、ガス代が2975円、上下水道料が1714円とのことです。
食費もおさえられる可能性が高い
同調査によると、単身世帯の34歳以下の勤労者世帯の食費は3万8668円です。現在、食費がかさみがちな場合は、外食の頻度を下げて自炊に切り替えるといった方法で、食費をおさえて貯金に回しやすくなるでしょう。
実家暮らしは家賃や光熱費の負担がない分だけお金が貯まりやすい
実家暮らしの場合、一人暮らしのように家賃と光熱費などで手取り収入の3分の1や半分程度といったお金を使わない可能性が高いです。また、同居する両親にお金を入れている場合、その金額が貯金されているケースも見られます。
とはいえ、一人暮らしで1000万円の貯金ができないわけではありません。毎月10万円、ボーナス月は25万円(12万5000円を1年に2回)を22歳から29歳までの7年間継続すれば1000万円を超える貯金は可能です。また、毎月の貯金額を低くしてボーナス分を全額貯金するといった調整をしてみてもよいでしょう。
まずは毎月家賃や生活するためにかかるお金がどのくらいなのか理解し、そのうえで1000万円を貯めるための計画を立ててみてください。
出典
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 各種分類別データ(令和2年)
全国賃貸管理ビジネス協会 全国家賃動向
総務省 家計調査 家計収支編 単身世帯 2023年 表番号2
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー