生活保護を受給中ですが、「エアコン」が故障してしまいました。買い替えは「自費」になりますか? エアコン代を払うのはキツイです…
配信日: 2024.08.11 更新日: 2024.10.10
本記事では、エアコンの購入費用は生活保護の扶助費から支給されるのか、エアコンの購入費用が工面できない場合の対処法など、生活保護受給世帯のエアコン購入費について解説します。
執筆者:梅井沙也香(うめい さやか)
FP2級
エアコンの購入費用は出してもらえる?
生活保護の場合、要件を満たした世帯は「家具什器費」からエアコンの購入費用を支給してもらえます。
エアコン購入費の支給要件は次の通りです。
1.保護開始時にエアコンの持合せがないとき
2.単身世帯の人が長期入院・入所後に退院・退所し、新たに単身で居住を始める際にエアコンの持合せがないとき
3.災害にあい、救助や救護をもってしては、災害により失ったエアコンをまかなうことができないとき
4.転居の際に、新旧住居の設備相異によりエアコンを補填しなければならない事情が認められるとき
5.犯罪等または暴力の被害を受け、安全確保のために転居する場合にエアコンの持合せがないとき
要件1~5のいずれかに該当し、世帯の中に子どもや高齢者、障害者などの特に熱中症予防が必要と認められる人がいる場合に支給が認められます。
次のようなケースでは、エアコン購入費は支給されないため注意してください。
・元から家にエアコンが設置されていた場合
・持っていたエアコンが故障した場合
・住居内に1台以上エアコンが設置されている場合
エアコン購入費として支給される金額の上限は6万7000円で、やむを得ないと認められた場合は設置費用も別途支給されます。エアコン購入費の支給を受けるには申請が必要となるため、まずは市役所やケースワーカーの人に相談してみましょう。
貸付制度も検討しよう
エアコンの購入費が足りない場合は、「生活福祉資金貸付制度」の活用も検討してみましょう。
生活福祉資金貸付制度とは、社会福祉協議会低所得世帯や高齢者世帯、障害者世帯を対象に、無利子または低利子で資金を貸し付けてくれる制度です。
本来、生活保護世帯は利用できない制度ですが、エアコンなどの生活必需品等の購入については貸付が認められています。
近年は熱中症のリスクが高まっているため、制度などを活用してエアコンは購入しておくと良いでしょう。
まとめ
生活保護世帯では、一定の要件を満たすことで、家具什器費からエアコンの購入費用を支給してもらえます。
エアコン購入費用が支給されるには、「エアコンの持合せがない」または「転居によって持合せがなくなった」場合のどちらかに該当し、世帯員の中に熱中症予防が特に必要と認められる人がいることが条件です。
支給金額は上限6万7000円で、やむを得ないと認められた場合は設置費用も別途支給されます。
ただし「元からエアコンが家にあった場合」や「持っていたエアコンが故障した場合」などは、エアコン購入費用の支給がされないため注意してください。
まずは公的機関に相談の上、支給がされない場合は無利子または低利子で生活必需品等の購入費用を貸付してくれる「生活福祉資金貸付制度」の活用も検討してみましょう。
出典
厚生労働省 2024(令和6)年4月1日施行 生活保護実施要領等
東京都社会福祉協議会 生活福祉資金貸付制度 福祉資金のご案内
執筆者:梅井沙也香
FP2級