更新日: 2024.10.10 働き方
「物価が高いから深夜バイトで稼ぐ」という大学生の息子。「週5勤務」でかなり無理しているようですが、相当稼げるのでしょうか?
今回は、時間帯によるアルバイトの時給の違いを比較し、深夜(22時以降)に働くアルバイトでどれくらい稼げるのか、また深夜帯に働くことによる、体への影響について調べてみました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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深夜帯のアルバイトは時給が高い?
一般的に、深夜の時間帯の時給はほかの時間帯よりも高めに設定されていることがほとんどです。
労働基準法37条4項によると、「使用者が、午後十時から午前五時までの間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」と定められています。
また、深夜の時間帯は人手が不足しがちなため、高い時給設定で人材を確保しようとする企業が多いことも時給が高いことの理由の一つです。
さらに、深夜の勤務は、生活リズムの乱れや疲労の蓄積など、肉体的・精神的な負担が大きいと考えられ、その分時給を高く設定して労働者の負担を補償しようとする意味もあるでしょう。
深夜に働くと、どれくらい稼げる?
深夜の時間帯に働く場合、どれくらい稼げるのか気になる人もいるでしょう。
そこで、今回は厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」を基に各都道府県の最低賃金から、東京、大阪、福岡を例に取り、深夜の割増賃金(25%増)を考慮して週5日、6時間勤務すると仮定し、賃金を計算してみました(諸手当などは含めない)。
最低賃金:1113円
1113円×1.25×6時間 = 8347.5円
(50銭以上は切り上げのため8348円)
8348円×5日=4万1740円
1ヶ月当たり(20日勤務と仮定)=16万6960円
最低賃金:1064円
1064円×1.25×6時間=7980円
7980円×5日=3万9900円
1ヶ月当たり=15万9600円
最低賃金:941円
941円×1.25×6時間=7057.5円(切り上げで7058円)
7058円×5日=3万5290円
1ヶ月当たり=14万円1160円
独立行政法人日本学生支援機構が実施した「令和4年度 学生生活調査結果」によると、大学生(昼間部)のアルバイトによる収入の平均は、月収に換算するとおよそ3万1000円ほどです。
深夜に週5日、1日に6時間働くと、平均に比べておよそ5倍の金額を稼げることになります。
深夜に働くことのデメリットとは
時給が高く稼げる深夜バイトですが、デメリットもあります。人間の体は基本的に夜寝て朝起きる生活に適応しており、生活リズムが崩れて体調に影響が出ることがあるため、注意が必要です。
深夜に働くことにより、本来暗いはずの夜に光に当たることで体内時計が乱れやすくなることに加え、睡眠や食事の時間も不規則になります。勤務後、昼間部の大学であれば学校に行かなければならず、睡眠時間を確保することは難しいでしょう。
このような状態が続くと心身の不調を招きやすくなり、ストレスが蓄積した結果、免疫機能が低下し、体調を崩す可能性があります。また、集中力が低下して思わぬけがや事故に巻き込まれるかもしれません。
これらの影響を最小限におさえるためには、適度に休息を取り、睡眠を取れるように工夫する必要があります。深夜バイトを続ける場合は、自身の体調管理に十分気をつける必要があるといえるでしょう。
深夜バイトは稼げるが、体調管理に注意する必要がある
深夜バイトは割増賃金が義務付けられているため時給が高く、シフトの入れ方によっては、平均的なアルバイトの月収よりも稼げるといえます。しかし、深夜に勤務すると当然ながらその時間に睡眠を取ることが難しくなるでしょう。
昼間、大学に行き授業を受けるのであれば、勤務後に十分な睡眠時間を確保することも難しいでしょう。睡眠不足および生活リズムの乱れは、体調やメンタル面に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ほかの人と生活パターンが合わなくなり、付き合いに影響が出るかもしれません。
深夜バイトは高時給が魅力で、普通のバイトよりも効率よく高収入を得られるといえますが、体調に及ぼす影響やそのほかのデメリットを考えながらバイトをする必要があるでしょう。
出典
デジタル庁 e-Gov法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十七条4項
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧 令和5年度地域別最低賃金改定状況
独立行政法人 日本学生支援機構 令和4年度 学生生活調査結果(8ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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