更新日: 2024.10.10 その他家計

妻が「エアコンは弱より『自動』のほうが節約になる」と言っています。風量が少ない「弱」のほうが電気代が安い気がするのですが、本当なのでしょうか…?

妻が「エアコンは弱より『自動』のほうが節約になる」と言っています。風量が少ない「弱」のほうが電気代が安い気がするのですが、本当なのでしょうか…?
2024年の夏も連日各地で猛暑が続いています。気象庁によると、8月24日~9月23日の「全国 1か月予報」では、全国的に「期間の前半は気温がかなり高くなる見込み」で、まだしばらくは暑さが続きそうです。
 
猛暑ではエアコンの使用は必須と言えますが、涼しさは確保しつつ節電を心がけたいところです。
 
エアコンの節電方法はさまざまですが、「エアコンは『弱』より『自動』にしたほうが節電になる」などといった話を聞き、「実際どうなのだろう?」と疑問を持っている人もいるかもしれません。本記事で解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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エアコンの風量は弱と自動でどちらのほうが節電になる?

エアコンは「弱」に設定している方が「自動」に設定しているよりも出す風量が少なく、節電につながりそうに思えます。
 
化学製品メーカーのダイキンが実験したデータがありますので、見ていきましょう。なお、ダイキンによると、この調査結果はあくまでも目安であり、住環境や気温などによって結果は変わるとしています。
 
本調査では、エアコンの風量設定を「弱」と「自動」のそれぞれで、午前8時から午後7時までつけっぱなしにして消費電力量を計測し、1ヶ月あたりの電気料金の違いを算出しています。
 
結論としては、エアコンの風量は「自動」のほうが「弱」よりも消費電力量が約3割少なく、電気料金も1日約33円、1ヶ月(30日)で約990円安くなるという結果が出ています。
 
理由としては、風量を「弱」にすると、室内機の中にある冷たくなった熱交換器を通過する空気の量が減り、部屋の中を涼しくするのに時間がかかります。
 
それに伴い、室外機にあるエアコンの心臓部とも言える圧縮機の運転にかかる負荷が増加し、より多くの電気を使ってしまうためとのことです。
 

風向は水平とななめ下でどちらのほうが節電になる?

ダイキンでは、他にもいくつか実験を行っています。風向設定は「ななめ下」と「水平」のどちらが節電につながるのか、「設定温度を1℃下げる」ことと「風量設定を『強』にする」ことはどちらが節電につながるのか、の結果についてもここで紹介します。
 
まず風向設定ですが、「水平」のほうが「ななめ下」よりも約3割の節電になるようです。空気は冷たいほど重く床にたまる性質があり、一般的なエアコンは高い位置にある室内機内部の温度センサーで室温を判断します。
 
風向を「ななめ下」にすると床付近に冷たい空気がたまる一方で天井付近には暖気がたまり、エアコンは暖気を感知してさらに部屋を涼しくしようと必要以上に運転して、消費電力が上がってしまいます。
 
一方、「水平」にすると、冷たい空気が上から下に自然に下りていくので、消費電力を抑えつつ、部屋全体が涼しくなるとのことです。続いて、「設定温度を1℃下げる」のと「風量設定を『強』にする」のとでは、どちらが節電になるのか見ていきましょう。
 
こちらについては、「風量強」のほうが「1℃下げる」よりも約5割の節電になるようです。設定温度を下げたとき、エアコンは室内の空気中からより多くの熱を集めるため、圧縮機の運転を高め、消費電力が増えるからだそうです。
 

エアコンの節電方法は他にどのようなものがある?

ここまでの実験結果をまとめると次のとおりです。


・エアコンの風量が「弱」と「自動」→「自動」のほうが節電になる
・エアコンの風向が「ななめ下」と「水平」→「水平」のほうが節電になる
・エアコンの「設定温度を1℃下げる」「風量を『強』にする」→「風量を『強』にする」ほうが節電になる

また、他にもエアコンの電気料金を下げる方法はあります。例えば、こまめなフィルター清掃を行うことで、エアコンの吸い込む空気量を一定に維持できるため、効率を下げずに使用できます。
 
エアコンは起動時に多くの電気を使用するため、あまりにこまめにON/OFFを切り替えると逆効果です。近所のスーパーに行くなど短時間の不在でも毎回エアコンを切っていると、再度つけた際に多くの電気を使ってしまっているケースもあります。さらに、古いエアコンから最新の省エネ効果が高いエアコンに買い替えるなどでも、電気料金を抑えられる場合もあります。
 
まだまだ暑い夏が続きそうです。エアコンで熱中症を防ぎつつ、エアコンの使い方を工夫してできるだけ電気料金を抑えられるよう心がけましょう。
 

出典

気象庁 全国 1か月予報
ダイキン 第8回/第9回 『ダイキン 空気のお悩み調査隊がゆく』夏の猛暑と電気代値上げを前に、エアコン節電術の具体的な効果を検証!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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