更新日: 2024.09.15 働き方
推し活をしながら「キッチンカー」で全国を回っている人がいると聞いて、やってみたくなりました。どれくらい初期費用がかかりますか?
キッチンカーを運営する人のなかには、ファンのサッカーチームを追いかけながら全国のスタジアムにキッチンカーを走らせる人もいるそうです。そこで本記事では、キッチンカーを開業する場合にかかるランニングコストを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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キッチンカーの開業にはどれくらい必要?
キッチンカーの開業にかかる初期費用は、自動車や調理設備などによりますが、大体200~500万円必要といわれています。本項では、キッチンカーの開業にかかる主な費用項目について説明します。
キッチンカー
キッチンカーの購入や改造にかかる費用は、事業の規模や車両の種類によって大きく異なります。基本的には、トラックサイズのキッチンカーでおよそ250万円です。
ただし、提供する料理の内容に合わせた調理機器を別途導入する必要があります。なお、中古車の購入や自家用車を改造するのであれば、費用は安く済ませられるでしょう。
調理設備・器具
キッチンカーでの営業には、料理に合わせた調理設備や器具の準備も欠かせません。例えば、焼きそばを作るためには、鉄板やフライパンなどの道具をはじめ、ガス台やガスボンベも必要です。
小規模であれば家庭用のフライパンを使用できますが、生計を立てられるくらいの売り上げを稼ぐのであれば、業務用の設備を導入したほうがよいでしょう。費用は安いものなら10万円ほどで、凝った料理を提供するなら30万円ほどかかります。
販促品・備品
キッチンカーの認知度を上げてリピーターを獲得するには、おしゃれなメニュー看板やチラシといった販促品も欠かせません。また、料理を提供する際には、使い捨てタイプの皿や箸が必要です。
焼きそばなら紙皿、クレープなら専用の包装紙など、商品に必要な小物も用意しなければなりません。必要な費用は大小ありますが、売り上げの3~5%が理想的といわれています。
営業許可証の取得
キッチンカーでの営業を開始するには、食品衛生法に基づく営業許可証の取得が必要です。営業許可証の取得費用は出店場所の自治体により異なりますが、1万4000〜1万8000円程度の地域が多いようです。なお、営業許可証には5年ごとの更新料もかかります。
また、営業には食品衛生責任者の資格も必須です。さらに、調理師免許証や製菓衛生師免許証、栄養士免許証等を所持していない場合は、1万円程度の受講料を払って講習会を受ける必要があります。
仕込み場所
料理の内容によっては、専用のキッチンスペースを用意しなければなりません。営利目的で提供する料理は、保健所の衛生基準を満たした設備で行う必要があります。自宅のキッチンで仕込みをすることは、基本的に禁止されています。
ただし、自宅のキッチンを使う場合には、保健所の衛生基準を満たすように改修し認可を得れば問題ありません。内装工事にかかる費用は、キッチンスペース1坪あたり20〜50万円程度といわれています。
キッチンカーを続けるうえでかかる費用
キッチンカーを始めると、開業費用とは別に営業にかかる継続的なコストも発生します。具体的な費用は、以下の通りです。
・駐車場代
・消耗品代(紙の食器、ガスボンベなど)
・食材費
・車の維持費(ガソリン代、車検代、税金など)
・出店料
キッチンカーの営業は勝手に始めてよいわけではなく、あらかじめ自治体や出店場所の所有者に許可を取ったうえで営業しなければなりません。また、基本的には出店料がかかるため、料理の提供価格はさまざまな維持コストを考慮して、採算が取れるように設定する必要があります。
資金が足りないなら助成金や補助金制度を活用しよう
キッチンカーの開業や運営にかかる費用は決して安くありませんが、資金が不足している場合には助成金や補助金制度を活用して、負担を軽減できる可能性があります。
また、キッチンカーに大きなビジネスチャンスを感じるなら、クラウドファンディングで資金調達にチャレンジするのもよいでしょう。ただし、衛生面や営業場所に対して制限が課せられるため、開業のための準備を事前に行うことをおすすめします。
出典
厚生労働省 簡易調理施設に対する飲食店営業の許可について
神戸市 キッチンカー等、自動車の飲食店営業許可申請の手引き
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー