「初任給25万円以上」の企業へ就活をしているという大学生の息子。新卒から給料の高い企業は日本にどれくらいあるのでしょうか?

配信日: 2024.09.27 更新日: 2024.10.10

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「初任給25万円以上」の企業へ就活をしているという大学生の息子。新卒から給料の高い企業は日本にどれくらいあるのでしょうか?
賃金についての話題がしばしばニュースで取り上げられているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。
 
そんな中、少しでも賃金が高い会社に就職しようと、就職活動を展開している学生もいることでしょう。今回のケースのように、初任給が20万円台後半の会社を候補にしている人も珍しくないと思われます。
 
本記事では「初任給25万円以上」の企業がどれほど存在するのか解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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初任給25万円以上の企業は全体のわずか7.4%

株式会社帝国データバンクが行った「2024年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート」によると(有効回答企業数1050社)、新卒採用がある企業474社における初任給は表1の通りです。
 
表1

初任給 全体に対する割合(%)
15万円未満 1.9
15~19万円 33.3
20~24万円 57.4
25~29万円 7.2
30万円以上 0.2

出典:株式会社帝国データバンク「<緊急調査>2024年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート」を基に筆者作成
 
25万円以上は全体の7.4%にとどまっていることが分かります。この割合を日本の企業すべてにそのまま当てはめることはできませんが、初任給25万円以上で求人を出している企業は、全体からすると少数派であると考えられます。
 

新卒者の初任給平均値は25万円未満が多い

新卒者で初任給25万円以上の職につける機会は、相対的に多くはないようです。東京都における新卒者初任給と、東証プライム上場企業の新卒者初任給のデータをご紹介します。
 

東京都における新卒者の初任給

東京労働局職業安定部の都内調査によると、令和6年3月新卒者の学歴別求人初任給は表2の通りでした。
 
表2

学歴 金額
大学(大学院) 21万6500円
短期大学(高専を含む) 20万2400円
専修学校 20万1000円
高等学校 18万9200円

出典:東京労働局職業安定部「学卒者の初任賃金」を基に筆者作成
 
この金額は平均値になりますが、今回のケースで求職者がこだわっている「初任給25万円以上」には、どの学歴も達していません。もっとも高い大学卒業でも、3万3500円の不足があります。
 

東証プライム上場企業の初任給

一般財団法人労務行政研究所が東証プライム上場企業152社を対象に実施した「2024年度 新入社員の初任給調査」によると、令和6年の新卒者の初任給について、大学卒業者は23万9078円、大学院卒修士は25万9228円、短大卒業者は20万5887円、高校卒業者は19万3427円でした。
 
プライム上場企業は規模が大きいからかもしれませんが、前述の調査よりも平均値が上がりました。大学卒業者の場合、25万円に達するまであと約1万1000円にまで迫っています。大学院卒業者ともなると、25万円超です。
 
とはいえ多くの学歴区分において、初任給の平均は25万円未満でした。
 

初任給は産業区分・職区分・企業規模などによって多少変わる

前述の東京労働局職業安定部の調査によると、初任給の平均は、産業区分・職区分・企業規模などによって多少変わります。例えば産業別では「建設業」が22万7500円ともっとも高く、「宿泊業・飲食サービス業」が20万5700円ともっとも低い結果でした。
 
また同じ建設業でも、「運輸・清掃・包装等従事者」は24万円、「保安職業従事者」は20万6100円と、従事する職の区分によって差があります。企業規模についていえば「1000人以上」は22万3000円なのに対し、「29人以下」は21万5000円と開きがありました。
 
このように初任給はいろいろな状況により差が生じます。
 

初任給25万円以上の企業は少数派

学歴や産業区分・職区分・企業規模などにより多少幅がありますが、平均値としては15~24万円ほどがボリュームゾーンでした。
 
就職先によっては初任給25万円以上を達成できる可能性がありますが、全体的な傾向からすると、初任給25万円以上の企業が占める割合は少ないようです。
 

出典

株式会社帝国データバンク <緊急調査>2024年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート
東京労働局職業安定部 学卒者の初任賃金(8、13ページ)
一般財団法人労務行政研究所 2024年度 新入社員の初任給調査(1ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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