更新日: 2024.10.13 その他家計
今年も「新米」が出回り始めましたが、昨年よりも値段が上がっています。5人家族で「月15kg」を7000円前後で購入していましたが、いくらくらい高くなりますか?
本記事では、農林水産省が公開している最新のデータを基に、2024年産米の価格動向と家計への影響について詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2024年産の米価格の見通しは?
2024年産米の価格を理解するには、まず「概算金」について知る必要があります。概算金とは、農協(JA)が農家に支払う仮渡金のことで、その年の米の価格動向を示す重要な指標となります。
日本農業新聞の報道によると、主要産地では60キログラムあたり1万6000~1万7000円を中心に設定されているということです。これは前年比で2~4割の上げ幅となっており、大幅な価格上昇といえるでしょう。さらに、高価格帯の銘柄米の価格も前年比で上昇しています。
・新潟県の魚沼産「コシヒカリ」は2300円高の1万9500円/60キログラム
・秋田県の「サキホコレ」は4700円高の1万9500円/60キログラム
・山形県の「つや姫」は3100円高の1万9500円/60キログラム
概算金の上昇は、消費者が購入する小売価格にも反映されることが予想されます。実際に、一部のスーパーでは新米の価格が昨年より3~4割ほど高くなっているという報告もあります。
価格上昇の原因は?
2024年産米の価格上昇には、複数の要因が関係しています。以下に、考えられる原因をまとめてみました。
・民間在庫量の減少
農林水産省の発表によると、2024年6月末時点の民間在庫量は115万トンで、前年同期から38万トン減少しています。このバランスの変化は、ほかの要因と合わせて価格動向に影響を与える可能性があります。
・需要の回復
農林水産省によると、2024年6月までの1年間の主食用米等の需要実績(速報値)は702万トンとなり、前年同期に比べ11万トン(1.6%)増加しました。
わずかな変化とも思える需要の増加ですが、コロナ禍明けの外食需要の回復等が要因とされており、今後の米価格に影響を与える可能性がある注目すべき変化です。
・生産コストの上昇
肥料や農薬、燃料などの生産資材価格が上昇しており、生産コストが増加しています。
これらの要因が重なり、特に供給面での制約(在庫減少)と需要の回復が同時に起こっていることが、価格上昇を加速させている主な理由と考えられます。
家計への影響として、月々の負担増をシミュレーション
次に、2024年産の米の価格について、概算金の上昇率(2~4割)と、小売価格の上昇率(3~4割)の最大値である40%を上昇率と仮定して、試算を行います。月々15キログラムの米を購入する家庭の場合、どのくらい家計に影響があるのか、見てみましょう。
5キログラム当たり 2310円
15キログラム当たり 2310円×3=6930円
15キログラム当たり 6930円×1.4=9702円
月間の差額 9702円-6930円=2772円の増加
年間の差額 2772円×12ヶ月=3万3264円の増加
この試算によると、月に米15キログラムを消費する世帯の場合、2024年産米の価格上昇により、年間で約3万3000円の負担増となる可能性があります。
まとめ
2024年の米価格上昇は、米を月々15キログラム購入する家計にとっては、年間3万円以上の追加負担をもたらす可能性があることが分かりました。この影響を軽減するには、家庭での消費量の見直しなどが考えられます。
また、直接農家から購入したり、ふるさと納税を活用したりすることも一案です。米価格の動向に注目し、柔軟な対応を心がけることが重要です。
出典
農林水産省 米に関するマンスリーレポート(令和6年9月号)
農林水産省 米をめぐる状況について
農林水産省 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー