35歳会社員ですが、今の会社では「退職金」が出ません…自分で老後資金として「2000万円」を貯めないといけないのでしょうか?
配信日: 2024.10.23
この記事では、退職金が出る企業の割合や老後資金を確保するために必要な貯金額などを解説します。
退職金が出ない企業で働いており老後資金に不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職金が出る企業の割合
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」によると、退職金給付(一時金・年金)制度がある企業は74.9%とのことです。また、企業の規模別では表1のような結果でした。
表1
企業規模 | 退職金給付制度がある企業の割合 |
---|---|
1000人以上 | 90.1% |
300人~999人 | 88.8% |
100人~299人 | 84.7% |
30人~99人 | 70.1% |
※令和5年就労条件総合調査結果の概況を基に筆者作成
企業規模が大きいほど、退職金給付制度があることが分かります。会社員だからといって、必ずしも退職金が出るとは限らないようです。
老後に必要なお金はどのくらい?
金融庁の金融審議会、市場ワーキング・グループの報告書によると、老後は約1300万円〜2000万円が必要だといわれています。この報告によって「老後2000万円問題」が話題となりました。
約1300万円〜2000万円という金額は、夫65歳以上、妻60歳以上の無職の夫婦が老後20年〜30年生活するケースを想定して算出されています。無職の夫婦が生活をすると、毎月約5万円の赤字が発生するようです。毎月約5万円の赤字のまま20年〜30年生活すると、約1300万円〜2000万円が必要となります。
この金額は、リフォーム費用や介護費用など特別な支出を含んでいません。そのため予期せぬことが起きた際は、2000万円以上かかる可能性もあるでしょう。
また、1300万円〜2000万円という金額はあくまで平均の不足金額から算出した金額のため、各家庭のライフスタイルや収入・支出のバランスによって変動するケースもあります。いずれにしても老後はお金がかかることが分かるでしょう。
老後資金のために1年間でどのくらい貯金が必要?
退職金が出ない企業で働く35歳の方が65歳の定年退職まで30年間働くことを想定して、老後のために1年間にどのくらい貯金すればよいか計算してみましょう。
老後に必要な資金である2000万円を確保するためには、1年で約67万円ためる必要があります。月で考えると毎月約5万6000円の貯金をしなければいけません。
生活のために老後も働く、生活費を節約すると考える方もいるかもしれませんが、体力や認知機能が衰えて思うように働けなかったり、予期せぬ出費で生活費の節約ができなかったりする可能性があります。
老後に十分な収入が得られない可能性を考慮して、働いているうちから老後資金をためるようにしましょう。現金でためるのもいいですが、今は投資などで資産形成する方法もあります。若いうちから少しずつ老後に向けて、お金をためていきましょう。
退職金が出ない分、自分たちで老後資金を準備しておく必要がある
退職金が出ない場合、老後資金2000万円を確保するためには1年に約67万円、毎月約5万6000円の貯金が必要です。現役時代にしっかりと貯蓄計画を立て、毎月の積み立てをコツコツと続けることが将来の安心につながります。
また、現金貯蓄だけでなく、投資を活用した資産形成も有効な手段です。大きな出費や思わぬ事態に備えるためにも、若いうちから老後に向けた資金準備を始めていきましょう。
出典
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況 3退職給付(一時金・年金)制度(1) 退職給付制度の有無及び形態
金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(2)収入・支出の状況 P8 (3)金融資産の保有状況 P15・16
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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