更新日: 2024.10.30 働き方
近所の子が高校卒業後に「税関」に勤めるそうです。大卒でないと入職できないと勘違いしていましたが、収入や条件などは異なるのでしょうか?
実際には高卒でも税関職員にはなれるようなので、詳しく確認しておくといいでしょう。
本記事では、高卒で税関職員になる人の割合をはじめ、大卒との条件の違いや国家公務員の採用の流れについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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高卒でも税関職員になれる?
税関職員は国家公務員であるため、人事院が主催する「国家公務員一般職試験」に合格する必要があります。国家公務員試験には「大卒程度試験」のほかに「高卒者試験」もあるため、その試験に合格すれば高卒でも税関職員として働くことが可能でしょう。
税関で働いている高卒者の割合がどのくらいなのかを確認するために、横浜税関職員の過去5年間の採用者数を表1にまとめました。()内は女性の人数です。
表1
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | |
---|---|---|---|---|---|
大卒程度 | 22(10) | 23(8) | 22(9) | 20(10) | 26(10) |
高卒程度 | 8(2) | 15(7) | 16(5) | 10(4) | 13(5) |
出典:財務省 横浜税関「税関職員になるには」を基に筆者作成
大卒者に比べて高卒者の割合が少ないようですが、令和3年以降は高卒者の採用人数が10名を超えるようになってきています。
また、税関には一般職のほかに総合職もありますが、総合職は高卒者は受験できないようです。そのため、今回の事例にある方は、一般職として採用されたと考えられます。
大卒と高卒の条件の違いは?
基本的には、大卒者か高卒者かによって配属される職種に差が出ることはないようです。ただし、給与や研修期間などに大卒・高卒の違いがあるため、事前に確認しておくといいでしょう。
例えば財務省 長崎税関では、一般職員の初任給が大卒で18万円程度、高卒で15万円程度とされています。
平均基本給については、30代が26万円、40代が35万円、50代が41万円ということですが、実際はこれに超過勤務手当などの各種手当がつきます。また、ボーナスは年2回支給されるということです。
新規採用研修についても、大卒の場合は約2ヶ月半、高卒の場合は約6ヶ月というように、期間に違いがあります。
採用までの流れ
税関職員採用までの大まかな流れは、以下の通りです。
・国家公務員一般職試験(1次・筆記)
・業務説明会
・国家公務員一般職試験 1次合格発表
・官庁訪問開始
・国家公務員一般職試験(2次・人物)
・国家公務員一般職試験 最終合格発表
・採用内定
税関一般職は高卒でもなれる|高卒と大卒では初任給や研修期間に違いがある場合も
税関職員の試験は大学を卒業していないと受けられないイメージがあるかもしれませんが、一般職の場合は高卒でも受験できます。実際に、横浜税関職員の令和5(2023)年採用者の中には、高卒者も10名いるということです。
ただし、総合職の試験は高卒では受けられないため、今回の事例のように「高校卒業後に税関に勤める」という人がいた場合、一般職であると考えられます。
税関の一般職では、大卒と高卒では初任給や研修期間の長さが異なる場合もあるようなので、事前によく確認しておくといいでしょう。
出典
財務省
横浜税関 税関職員になるには
長崎税関 紹介リーフレット
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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